宇宙好きの皆さん、こんにちは!

デジタル化推進アカデミーの岩田敏彰です。

 

2023年10月に富山市で開催された上記講演会のセッションの紹介をしています。

 

電気推進というのは、

宇宙空間で用いられるロケットエンジンシステムの一種です。 

通常の化学ロケットが熱エネルギーを使って

推進剤を加速するのに対して、

荷電粒子を電気力で加速するため、

推進剤の速度を大きくできます。

 

このセッションでは、12件の発表がありました。

 

電気推進では、

加速に使った推進剤を電気的に中和することで

電極の摩耗を減らすことができます。

 

・はやぶさ2にも電気推進の一種であるイオンエンジンが使われており、推進剤の中和の方法

・はやぶさ2のイオンエンジンの表面損耗現象解明の研究

・イオンエンジンの中和現象評価および課題についての研究

が発表されました。

 

また、電気推進の別の種類であるホールスラスタについて、

・プラズマプルーム(プラズマというのはガスイオンと電子で構成された状態、プルームというのは噴煙)の特性(イオン密度電流など)を実験室で測定した研究

・ホールスラスタをいくつかまとめて動作させた場合(クラスタリング)の干渉の影響

・ホールスラスタの中和の研究

の発表がありました。

 

そのほか、

・低軌道に存在する背景プラズマの電子を収集する電子スラスタが小型衛星に向いているという研究、

・ホールスラスタのシミュレーションにイオンを粒子、電子を流体として扱う方法を使った研究

・デブリ捕捉に関連して、ホールスラスタの運用方法

・デブリを帯電緩和させる技術

・HTV6号機を使ったアクティブ電子放出による帯電緩和実験

・同じくHTV6号機を使った中性気体の放出が衛星電位に与える影響

などの発表がありました。