M5Stack Grayという小型コンピュータで温度計測をしてみました。
実験の構成は下記のようになります。
M5Stack GrayにはMPU6886というセンサが搭載されていて、3軸の加速度、3軸の角速度(ジャイロ)、3軸の磁気と、温度が計測できます。
ただし、温度はこのセンサの基板の温度になり、周りの環境の温度ではありません。
このため、室温環境で温度を測ると、50℃近くになってしまいます。
この実験は小型衛星を意識したもので、M5Stack GrayからBluetoothという無線を使って、パソコンにデータを送るようにしています。
M5Stack Grayへの電源は、アルカリ電池を使ったスマホの充電器を使い、USBで給電しました。
はじめ、5秒ごとに温度の計測をしながら、我が家の冷蔵庫の冷蔵室に入れてみました(青のグラフ)。
思いのほか、変動が激しく、ノイズの多い環境と考えられます。それでも1000秒以降、約33℃で落ち着く傾向がみられました。
このため、100回計測してその平均を出すようにしました(赤のグラフ)。変動は抑えられ、はじめと同じく1000秒以降は約33℃で落ち着きました。
次に冷凍庫に入れてみました(黄色のグラフ)。
この場合はどんどん温度が下がり、1800秒かけて7℃くらいまで下がったところで、計測ができなくなりました。
冷凍庫の環境は‐20℃であり、電池が普通のアルカリ電池なので、センサ周辺は7℃であっても電池の温度が下がってしまい、出力が得られなくなったためと考えられます。もっと低い温度まで計測するためにはリチウム乾電池を使う必要がありそうです。
冷凍庫で実験を行う場合、終了後は冷えたM5Stackや乾電池に水滴がつくので、スイッチを切り、電気がショートしないように注意する必要があります。
小型衛星の場合も温度センサ付近の温度がそれほど低くなくても、電源付近の温度が低くなりそうな場合は、低温に強い電源にするなど工夫しておく必要があります。逆に高温になりそうな場合も対策を考えておく必要があります。