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本作品はフィクションです

本作の内容と実在の事柄は

一切関係ありません

 

勘違い無きよう

 

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ARUKAMOシリーズ

今回99話が最終回です

ご訪問

ありがとうございました

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昔、金〇信なる与党の重鎮(じゅうちん)

大派閥の崩壊(ほうかい)を、

 

馬糞(まぐそ)の川流れ」

 

と称した。

 

その意は、

「もともとどうにもならない者

 同士が、それでも何とかくっつ

 いていた。それが水のなかに入

 ってモロモロになりバラバラ

 に流されてしまう。そうなると

 もうもとの一つにできない」

 

今、最大派閥のA派がその状況。

 

 

御成門ビジネスタワー、

(はま)弁護士事務所」

の電話が鳴った。

 

電話の主は、日本弁護士連合会

「日弁連」の事務総長。

 

要件は、

今般の、パー券裏金疑惑に関し。

不記載による「政治資金規正法

違反」で東京地検から起訴(きそ)された

与党議員の弁護依頼の件。

 

本来、国会開催中なら。

不逮捕(憲法50条)特権」が適用される。

 

もうすぐ、

通常国会が開かれる。

だが東京地検は、

本事案を、50条の適用外とし。

逮捕に踏み切った。

 

 

そこで、政府与党は。

最強地検と相対(あいたい)する為に、

 

「ヤメ検・弁護団で戦う」

 

作戦を()った。

 

弁護団の総勢30人。

浜まりも、その一(よく)に。

 

 

「あなた私。(しば)()帰れないかも」

「弁護団の定宿(じょうやど)は、東京プリン

 スホテル。」

「プリンスは、旧赤坂プリンスの

 ころから。あの派閥の定宿よ」

 

と、まりが。夫の智之(ともゆき)に告げた。

 

 

「じゃあ、明日から義母(おかあ)さんと

 二人だけの食事か。淋しいね」

 

「この機会に、実家の高野山金剛

 峰寺の節分(せつぶん)祈祷会(きとうかい)に行ってみ

 よう」

 

と、意外(いがい)に楽しそう。

 

 

「房総の風雲児・ハマコ(ジュ)Jr(ニア)

 

の総裁選出馬用/プロモーション

映像制作が、一旦(いったん)延期になった

白木(しらき)(ゆい)

 

㈱MJの事業部長・深川(ふかがわ)(まい)と一緒

に、彼女の実家がある千葉()流山(がれやま)

にやって来た。

 

流山市は、

若い子持ち世代に人気の街。

 

都心へのアクセスが便利。

マンション価格が手ごろ。

マンション内に、キッズルームや

ベビーシッターサービス。

忙しいパパ・ママに嬉しい、送迎

保育ステーションが充実。

 

などなど、緑いっぱいの街並み。

 

舞と唯が落ち合ったのは、

南流山駅に近い居酒屋「??」

 

店名を匿名(とくめい)表示した訳では無い。

お店の名前が「(クエス)(チョン)」。

 

 

 

50人は座れる、広い店内。

新鮮な海鮮料理、おでん、焼き鳥

の他。各種の創作料理。

 

「すべてが、美味しい」

「午前三時までの営業が嬉しい」

 

実家に来たときは、

必ず立ち寄るという舞。

 

 

テーブル席から、

二人が「馬刺(ばさ)し」を注文すると。

 

カウンターの中から、

 

「ごめん。さっきのお客さんで、

 お(しま)い。ごめんなさい」

の声。

 

すると、

カウンター席のオジさんが、

振り向いて。

 

「よー。二人の美人さん。

 よかったら、食べてくれ」

「私は、いつでも食べられる」

 

と言って、馬刺しが乗った皿を

テーブルの上に置いた。

 

普通なら、遠慮するのだが。

オジさんの、

屈託(くったく)のない笑顔に、引き込まれ。

 

二人は同時に、

 

「では遠慮なく、頂きます」

と。

 

すぐに、唯が。

 

「お一人ですか」

「よろしければ、ご一緒に」

 

と、声を掛けると。

 

オジさんは満面の()みで、

 

「嬉しいね」

「今日は良い日だ。あの占い師

 が言っていた通りだ。美人と

 お友達になれるって」

 

と、言って二人の席に移動。

 

人材派遣会社で働くキャリアウ

ーマンの舞。

フリーの映像クリエイターとし

て働く唯。

 

二人とも、「人を見る眼」には

自信がある。

 

「この人、安心・面白(おもしろ)そう」

 

と、直感。

 

娘か孫ほどの、歳の差なのに。

 

このオジさん、

普通に話し掛けて来る。

 

ごく自然に、自己紹介。

 

「オレ、自営の遊び人Y(じい)

 

「私、舞。都内のOL。流山育ち」

 

「私、唯。都内でフリーランス」

 

 

いつのまにやら、

オジさんの身上話(みのうえばなし)に。

 

 

妻に先立たれ、今は独身。

生まれは周防(すおうの)(くに)(山口県)。

 

 

「若い頃から、女性にモテモテ」

「何故か、いつも相手が積極的」

「今も、若い()複数とお付合い」

 

「どうしてモテルか、分からない」

「そろそろ整理しないと、身体も

 お金も続かない」

 

「だから、お二人さん。オジさん

 を誘惑しないでね」

 

と。

その言い方に、嫌味(いやみ)もキザさも、

全く感じないのが不思議。

 

 

「どうして今日、この店に?」

 

「実家は、流山みりんの蔵元。

 味醂(みりん)を世界へ売り出す為の、

 PV(プロモーシ)制作(ョンビデオ)の打ち合わせヨ」

 

 

「 ん‼(  ひらめ)いたわ 」

 

「私が作るPVに出演してくれ

 ますか」

 

「オジさんの、その笑顔。欧米や

 アジア、いや南米やアフリカの

 人にもウケルこと、間違いなし」

 

「来週、火曜日。六本木のイモ洗

 い坂のスタジオに来てくれま

 すか」

 

ひょんなことから、Y爺さん。

 

「流山みりん・世界戦略」

 

PVへのデビューが決まった。

 

 

唯が、

姉の白木香織(かおり)の再婚を知ったの

は令和6年の(3月)先。

 

その相手とは。

 

二ヶ月前に、フランス・リヨンの

ICPO本部へ出向赴任した、警視

庁公安部管理官の鬼頭史郎。

 

唯が知る限り。

姉と鬼頭氏の接点は、然程(さほど)多く

ないハズ。

 

記憶では、

自分の旅券法違反や、姉の最初の

夫・白石栄一の麻薬法違反関連で

参考人として警視庁に呼ばれた

のが。二人の出会い。

 

その後は、

姉の㈱MJ社の社長就任パーテ

ィーの席。

 

この程度だと、記憶していた。

 

その二人が、

いつの間に、どんな経緯で。

 

 

 

姉・香織は、㈱MJ社の社長を

盟友の深川舞に譲り渡し、渡仏(とふつ)

 

 

男女の関係は、

まさに(かい)照器(しょうき)(ごと)し。

 

 

 

どこで、どう屈折しながら。

互いのハートに想いを届け成熟(せいじゅく)

させたと言うのか。

 

 

2024年(令和6年)4月。

フランス・リヨン。

フルヴィエールの丘に建つ、

「ノートルダム大聖堂(カトリック)」。

 

 

 

ここで、

鬼頭史郎と白木香織の結婚式。

 

俣阿野夫妻と娘は、一月前から

リヨンに移住。

 

浜まりと智之。そして深川舞と

白木唯は、式に合わせてリヨン

入り。

 

 

神父(しんぷ)が、

「二人は、永久(とわ)の愛を誓いますか」

と、訊ねると。

 

二人は、

「誓います」

と。

 

すると唯が、

 

「八人の(きずな)は、永遠(えいえん)です」

 

と。

 

他の七人が、

 

ARUKAMO(アルカモ)

 

と、誓った。

 

 

ARUKAMOシリーズ

(おわり)

 

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■主な登場人物(適宜掲載)

(また)阿野(あの)()(わい) 私立探偵・極秘諜報員

(はま)まり ヤメ検弁護士・極秘諜報員

(また)阿野(あの)京歌(きょうか) 志隈の妻・極秘諜報員

白木(しらき)(ゆい) 映像クリエイター・極秘諜報員

白木(しらき)香織(かおり) ㈱MJ社長・唯の姉/異母姉妹

浜智之(はまともゆき) まりの夫・寺院の住職・極秘諜報員

深川(ふかがわ)(まい) ㈱MJ事業部長・白木香織の親友

鬼頭(きとう)史郎(しろう) 警視庁公安部・極秘諜報員の窓口

 

■本作は、フィクシン。

登場する地域・人物・組織等の名称び

写真イラスト等は、現存のものと無関。

諸制度や時代考証などの齟齬は、ご赦。

■添削・校正なしで配信

誤字脱字の程、ご容赦。

 

鰯の頭

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妄想小説

ARUKAMOシリーズ

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ありがとうございました

 

鰯の頭

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