SMKYの弁護士・浜まりは、
幼少時から大学院を出る迄。
寺の使用人が運転する車で
通学していた、お嬢様育ち。
だが、持って生まれたDNAか。
そんなイメージは、微塵もない。
加えて
東大法学部卒、大学院法曹卒。
25歳で司法試験合格の才女。
身長170cmのスレンダー美女。
まりの夫、智之。
生まれは、真言宗の聖地・高野山
総本山「金剛峯寺」僧侶の五男。
都内の某仏教系大学を卒業。
四年前、
真言宗派の都内港区高輪台の
寺院の一人娘と結婚。
まりより、2才上の34歳。
「少しひょうきん」が取り得の、
良き夫。若き住職。
夫婦の間に、まだ子供はいない。
都心の喧騒が嘘のような高輪台
の一角に、その寺院がある。
智之の趣味は、多彩。
甲乙つけがたいのが、
「陶芸と外車」
広い境内には、
焼き窯を備える陶芸工房。
そして、大きなガレージ。
中に、外車が6台。
この内の2台は、先日の副業で
手に入れた、CLAシューティン
グブレークの中古車。
他には、
ゲレンデヴァーゲン
アウディA4
などが。
「坊主って、そんなに儲かる
商売?」
と、思ってしまう。
■
「浜法律事務所」が、これまでい
た中年男性に代わって新たに。
若い男性のパラリーガルを採用。
名前は、「大室圭佑」26歳。
学習院大学・国際社会学部卒。
卒業後、大手銀行に入るも半年で
退社、渡米。
カリフォルニア州の田舎町の
法律事務所で、運転手兼雑用係を
二年余り経験。
パラリーガルは、
弁護士の指示で、文書作成や資料
探し。スケジュール管理や電話番
などの秘書業務も。
言わば、法律事務所業務の全般を、
補佐する仕事。
特別の資格は必要ないが、行政書
士・司法書士や秘書検定、TOEIC
資格を有すれば。採用に有利。
大室圭佑に、特段の資格がある
訳では無く。
「検事時代に世話になった、
検事長から頼まれて」
が、採用理由。
彼は、実年齢より下に見える。
最初、事務所に顔を出したとき
「スーツを着た高校生?」
と、思ったくらい童顔。
いつも明らかに、かなり厚底の
シークレットシューズを履いて
いる。おそらく実身長は、7cm
低い167cmだろう。
だから、ローヒールを履いたまり
とは。いつも上目遣いに話す。
■
事務所に入って暫くして知った
ことだが。
彼には、学習院時代からのガール
フレンドがいる。
ある日、スマホの写真を何気に
見せながら。
「これ彼女。5月に赤坂御苑で」
と言った。
よく見ると、確かに赤坂御苑。
和服姿で微笑む女性の傍に、
天皇皇后両陛下や皇族が。そして
内閣総理大臣の姿までもが。
「大室君、これって今年の園遊会
じゃないの?」
「和服の女性、皇族のお一人じゃ
ない?悪い冗談は、よして」
と、まりが言うと。
「まだ週刊誌にバレてないけど。
その内、騒がれるかも」
と、得意顔。
それから間もなくして、
写真の女性と大室圭佑が、
マスコミを賑すことに。
(つづく)
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■主な登場人物(適宜掲載)
▶俣阿野志隈 私立探偵・極秘諜報員
▶浜まり 弁護士・極秘諜報員
▶俣阿野京歌 志隈の妻・極秘諜報員
▶白木唯 映像クリエイター・極秘諜報員
▶浜智之 まりの夫・寺の住職
▶大室圭佑 浜法律事務所のパラリーガル
■本作は、フィクション作品。
登場する地域・人物・組織等の名称及び
写真イラスト等は現存のものと無関係。
諸制度や時代考証などの齟齬は、ご容赦。
■添削・校正なしでの配信。
誤字脱字の程、ご容赦。
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