一時は、
「地下鉄サリン事件の再来」
まで、視野に入れていた警視
庁公安部だったが。
新興宗教団体「インコ真理教」
の実態が、想定外の結果を
齎したことで。
SMKYの任務も、フェードア
ウト。
◆
社長が公祐浩一、研究所長が
土川光実の「㈱K未来研究所」
が開発発売した「新殺鼠薬」は
世界各国から、注文が殺到。
製品名は「Parakeet」に。
白木唯が制作した、Parakeet
のCM動画は、
英語・中国語・スペイン語・アラビ
ア語・フランス語・ヒンディー語・
インドネシア語・ポルトガル語・
ロシア語・ドイツ語・韓国語・イタ
リア語・トルコ語・タイ語
などに翻訳され。
世界各国に配信された。
土川は、直ちにPCT（国際
特許出願）を提出。
同時に公祐は、
世界各地に工場を建設する
資金集めの為。
「クラウドファンディング」
を起ち上げた。
クラウドファンディングには、
色々な種類がある。
例えば、プロジェクトの成否
でリターンが決まる「All-or-
Nothing型やAll-In型」の
購入型から。
金銭的見返りを求めない、
寄付型。
融資型や株式型、ファンド型
など多岐にわたる。
公祐が選んだのは、「ファンド
型クラウドファンディング」。
「ハイリスクハイリターン」
を求める出資者には魅力的。
白木は、このクラウドファン
ディングのCMも手掛けて。
あっという間に、
膨大な資金が集まった。
白木唯が制作した「募集CM」
新殺鼠薬「Parakeet」
のCM同様に。
ネズミの登場は、一匹も
ない。
だが、何故か。
一定額以上の購入者に、
「世界のディズニー年間パス
ポート」
がプレゼントされた。
＊世界のディズニー
東京、カリフォルニア、フロリダ、
香港、上海、パリ、ハワイ。
公祐が白木に、
その真意を質すと。
「地上から鼠が撲滅しても、
ミッキーはアニメの世界で
生き続ける」
と、答えた。
◆
テレビCMで最近、特に目に
するのが、
空気清浄機「Airdogu」。
ナレーションで、
「シリコンバレーが開発した
世界最強レベルの空気清浄
機」
が、謳い文句。
ハイテクの聖地、
シリコンバレーと聞き。
米国企業を想像したが、どう
やら創設者のHongyu Ran
（冉宏宇）は中国人のようだ。
彼は、カリフォルニア工科大
で「空気力学」を学び。
その後、シリコンバレーで
就職の経歴。
それで、
「シリコンバレーで開発」
がキャッチコピーなのだ。
実は日本は、空気清浄機の
先進国。
過去には、
シャープの「プラズマクラス
ター」が、世界での売上数７千
万台を突破し、ギネスに認定。
今、世界は「空気清浄」の
関心が極めて高い。
特に隣国中国では、
PM2.5対策や花粉症対策や
コロナ対策までもが、その
目的。
更には、空気清浄による
「蚊害対策効果」にも注目。
世界の経済成長の、新たな
担い手となったインドネシア
を始め、東南アジアにとって
蚊害対策は、喫緊の課題。
これに注目したのが、
土川光実だった。
（つづく）
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■主な登場人物（適掲載）。
▶俣阿野志隈。私立探偵。極諜報員。
▶浜まり。弁護士。極秘諜報員。
▶京歌。志隈の妻。極秘諜報員。
▶白木唯。映像クリエイター。極諜報員。
▶鬼頭史郎。警視庁公安部/真の肩書不詳。
▶浜智之。まりの夫。寺住職。
▶公祐浩一。インコ真理教・教祖。
▶土川光実。インコ真理教・No2。脱退。
▶遠谷嘉夫。インコ真理教・幹部。脱退。
■本作品は、フィクション作品。
登場する、地域・人物・組織等の名称及び
写真・イラスト等は現存のものと無関係。
法規制度や時代考証などの齟齬は、容赦。
■添削・校正なしでの配信につき、誤字脱字
の程ご容赦を。
〈鰯の頭〉
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