創設時から、教団No2の座に

就いたのが「土川光(つちかわこう)()」。

土川は、筑波大学大学院卒。

化学専攻。

公祐とは、同い年

 

インコ真理教の教義、

特定の崇拝対象を持たず

宗教・思想・哲学・科学・芸

術の研究実践で人々に癒し

を提供

に共鳴。

 

自ら、

大資本と一線を画す科学技

術が、世界を救う

との信念で。

大手化学メーカーの研究職を

捨て、出家して来た。

 

公祐は、土川の為に。

教団敷地内に「工房」を建て、

多額の研究費を与えた。

 

土川は、

ネズミのフンによる健康被害

に注目。

嘔吐(おうと)や下痢、急性胃腸炎を引

き起こすサルモネラ菌

風邪のような症状から、出血

まで起こすレプトスピラ菌

腎不全やハンタウイルス肺症

候群をもたらすハンタウイル

など。

様々な病原体の媒介役。

特に、ハンタウイルス肺症候

群は治療法が確立されていな

い危険な病気。

 

  

 

一見、清潔に思える、

オフィス街も住宅街も。

地下の下水管には、大量の

ネズミ。

住民1人に、ネズミ5

の都市伝説がある。

 

土川の研究テーマは、

人類を救済するには、

強力な殺鼠(さっそ)(やく)の開発

が必須であった。

 

土川は、次々に新薬を開発

だが、ネズミに効くものは

人間にも猛毒の反作用」。

取り扱いは、充分に気を付け

なければならない。

 

 

インコ真理教のNo2

土川光(つちかわこう)()が教団を去る際、

猛毒神経ガスを持ち出した

 

このタレ(内部告白)コミ情報の猛毒神

経ガスとは、殺鼠薬のこと。

 

土川が教団を脱退した理由は。

公祐が言うには、

教義に対する見解のズレ

だった。

 

あるとき二人は、教義につい

て議論した。

そのとき土川は、

特定の崇拝対象を持たず

宗教・思想・哲学・科学・芸

術の研究実践で人々に癒し

を提供

この、我らの教義は、余りに

定性的。定量性に欠ける

 

人類の繁栄を、人口の拡大

に求めるのは、資本主義も

社会主義も同じ。人口の

適正化こそが、人類の救済

増えすぎた人口は、減らせ

ばいい

そこに、教団の使命がある

のではないか

私が開発した窮鼠薬を、

その為に役立てたい

 

 

二人の見解の相違は、

歩み寄ることなく、決別。

 

土川は、大量の窮鼠薬を持っ

て二人の幹部信者を連れて消

えた。

 

この事情は、多くの信者が

知るところ。

誰でも、内部告発が出来る

ことが分かった。

 

 

土川が開発した「窮鼠薬」は、

紛体(ふんたい)状のもの。通常は、

カプセルに詰めて使用する。

 

だが、水に溶かし噴霧(ふんむ)での

使用も可能

噴霧器の性能如何(いかん)では、極め

広範囲に散布が可能となる。

 

 

(ゆい)が得た、この情報は。

SMKY(スモック)のミーティングの

場に提供された。

 

持ち出し量の、詳細は不明。

持ち出し量の一部で、

地下鉄サリン事件に匹敵す

る惨事

と唯は、(こう)(ゆう)の見解を伝えた。

 

 

大惨事を未然に防ぐ

これが、ミッションなのだが。

今は、

警察の公開捜査待ち」。

何とも、歯痒(はがゆ)い状況。

 

 

宮崎県・高千穂峡の五ケ瀬(ごかせ)(がわ)

に、大量の魚が浮かんだ。

 

昔から信仰心の高い町民は、

神の(たた)」と騒ぎ。

神楽(かぐら)神社(じんじゃ)祈祷(きとう)師を呼んだ。

 

祭祀(さいし)を仕切ったのは、

何の因果か、宮司(ぐうじ)(ナツ)神楽(カグラ)

過去に公祐浩一が、

想いを寄せた女性だった。

 

 

一方、地元警察から運ばれた

死魚(しぎょ)」は。

高千穂保健所が検査した結果、

体内から微量の「リン化合物

が見つかった。

 

検体を九州大学医学部の薬科

研究所に送り、分析。

リン化合物は、殺鼠剤の製造

に使われる「リン化亜鉛」と

判明。

この情報は、警視庁公安部に

も伝わった

 

 

鬼頭(警視庁公)から(安部)俣阿野志隈に、

土川が、宮崎に潜伏(せんぷく)

の情報が入った。

 

インコ真理教のHPには。

土川の経歴欄に、筑波大学卒

とあるだけで、他の職歴等の

掲載が無かった。

 

大学院卒業後、教団へ入るま

で十数年間。何をしていたか。

 

京歌によるプロファイリング

で、明らかになった。

 

 

(つづく)

 

 

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本作/EPISODE Ⅳ「噴霧器」

過去の実在事件

「オウム教団によるサリン事件」

モチーフにしたものです

 

あくまでもモチーフ

創作動機です

 

従って

実在の人物・組織などと

無関係の

フィクションです

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■主な登場人物(適掲載)。

俣阿野志隈。私立探偵。極諜報員。

浜まり。弁護士。極秘諜報員。

京歌。志隈の妻。極秘諜報員。

白木唯。映像クリエイター。極諜報員。

鬼頭史郎。警視庁公安部/真の肩書不詳。

浜智之。まりの夫。寺住職。

公祐浩一。インコ真理教・教祖。

土川光実。インコ真理教・No2。脱退。

 

■本作品は、フィクション作品

登場する、地域・人物・組織等の名称及び

写真・イラスト等は現存のものと無関係。

法規制度や時代考証などの齟齬は、容赦。

 

■添削・校正なしでの配信につき、誤字脱字

の程ご容赦を。

 

〈鰯の頭〉

 

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