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歴史は繰り返されるのか
新興教団で繰り広げられる
悍ましきイニシエーション
英知とハードボイルドで
果敢に挑むSMKY
組織犯罪と人間の欲望を探る
社会派妄想小説
諸般の事情により配信頻度は
週２～３回程度かも
ご訪問よろしくです
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鬼頭史郎からのミッションを
受け、メンバーが集結した。
俣阿野志隈によれば、
「インコ真理教のNo2
土川光実が教団を去る際、
猛毒神経ガスを持ち出した」
「これはタレコミ情報。真偽
の程は不明」
「メールの送信元は、特定に
至らなかった」
「警視庁として、公開捜査の
段階でない」
と言う。
そこで、SMKYの任務は。
教団周辺からの真偽確認。
京歌が最初に発言した。
「敵の敵は味方。教祖の公祐
を先ず探り、そこから行動
作戦を立てたら」
他のメンバーは、即座に同意。
ミッションの成功を願い、
今宵は。
京歌の手料理による、フレン
チディナー。
と言っても、
「きっと実家からのケータリ
ング」
と思われているのを察し。
「メインディッシュは二品。
魚料理は、イワシのポワレ。
皆さま、ソテーとムニエル
とポワレの違い分かるかし
ら。強火で焼くのがソテー。
小麦粉をまぶし焼くのがム
ニエル。蒸し焼きがポワレ」
「肉料理は、牛イチボ肉のロ
ースト」
「オーブンを使わず、フライ
パン一つで、お肉の焼き上
げから付け合せの野菜、ソ
ースまでを完成。絶品よ」
と、どうやら今回だけは。
京歌が作ったらしい。
◆
志隈の妻、京歌の
プロファイリング能力は、
メンバー誰もが知るところ。
翌日の夕刻、メンバー三人に
京歌からのメールが送られて
きた。
そこには、
教祖公祐浩一のプロフィール
と、インコ真理教の概要が書
かれていた。
公祐浩一㊿プロフィール。
生年月日 1973年X月X日生。
出生地 北海道札幌市西区。
婚姻暦 独身（未婚）。
学歴 早稲田大学法学部卒。
同大学院中退。英会話と
ディベートサークル所属。
職歴 宇宙開発事業団入社。
６ヶ月後に退社。
信仰および行動暦
大学在学時、ヨガや瞑想に関心。
神秘体験をしたと、周りに吹聴。
大学院中退後、幾つかの新興宗教
を渡り歩き、10年前に「インコ
真理教」を創設、教祖に。
在籍した某教団では、
広報部長を担当。
教団が地域トラブルを起こした際
メディアに登場。スポークスマン
としてディベート力を発揮。
「ああいえば、こうゆう」が、
その年の流行語になった。
平成28年の第24回参議院選挙
に、東京都から出馬。僅か３千票
の得票で落選。
宗教法人「インコ真理教」
10年前に法人登録済み。
現在の信者数１０,０００人。
内、出家信者数100人。
教義は、特定の崇拝対象を持たず。
「宗教・思想・哲学・科学・芸術
の研究実践で人々に癒しを提供」
教団の運営費、出家信者への報酬。
主たる収入源は、
お布施や寄付金だけで、50億円。
この分は、ほぼ無税。
他にも色々あるが、非公表の権利
があるので実態が掴めない。
ヨガ教室の収入などは、
収入源と言うより信者獲得の場。
◆
SMKYのミーティングで。
志隈が、
「お布施と寄付金で50億？
無名の団体で可能？」
と、単純な疑問を発した。
すると白木唯が、
「１万人の信者が毎月一人、
2万円のお布施で24億円。
残りが寄付金なら可能ね」
「何しろ、50憶円の売上に
経費も税金も掛からないか
ら、売上イコール純利益」
唯の話を受けて志隈が、
「確かに坊主丸儲けって訳だ」
と応じると。
横から浜まりが、
「あら失礼ね。うちの主人は
その坊主よ」
と、笑った。
ヤメ検弁護士の浜まりは、
港区の寺院の一人娘。
寺の住職は、婿養子の智之氏。
当面の行動が決まった。
「公祐浩一への接近役は、
フリーの映像クリエイター
白木唯が、年齢的にも適任」
と、暗黙の了解だった。
（つづく）
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■主な登場人物（適掲載）。
▶俣阿野志隈。私立探偵。極諜報員。
▶浜まり。弁護士。極秘諜報員。
▶京歌。志隈の妻。極秘諜報員。
▶白木唯。映像クリエイター。極諜報員。
▶鬼頭史郎。警視庁公安部/真の肩書不詳。
▶浜智之。まりの夫。寺住職。
▶公祐浩一。インコ真理教・教祖。
▶土川光実。インコ真理教・No2。脱退。
■本作品は、フィクション作品。
登場する、地域・人物・組織等の名称及び
写真・イラスト等は現存のものと無関係。
法規制度や時代考証などの齟齬は、容赦。
■添削・校正なしでの配信につき、誤字脱字
の程ご容赦を。
〈鰯の頭〉
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