次作の書き下ろしに際し。
二つのことを、念頭に置いて
いる。
一つは、
一話の登場人物を、
極力絞ることに。
多くても、数人に。
作者自身が、「誰が誰だか」
判らなくなってしまうので。
皆さまには、尚更かと。
二つは、
親切心からの、余計な注釈を
極力書き込まないことに。
「小説」なるシロモノは。
所詮は、妄想作品。
「余計な注釈など不要」
なのでは?と。
今更ながら、気づいた次第。
その部分を、この「予告」に
綴っている。
◆
江戸の町。
武士も庶民も、風呂好き。
あちこちに「銭湯」がある。
名の通り、銭8文が入浴料。
元禄の頃までは「男女混浴」
が当たり前だったのに。
何を考えたのか、吉宗公が
「混浴禁止令」の御触れを。
そこは、粋な江戸っ子。
洗い場に、三尺の衝立を置い
ただけ。
銭湯は、どこも薄暗い造り。
そこで、他人への配慮から。
独自のマナー。
「冷者でござーい」
冷えた体で、すみません。
「田舎者で、ござーい」
触れたり、お湯を掛けてしま
ったとき。
「お先に」、「お早い」
「おゆるり」、「お静かに」
誰もが声掛けをする。
さらに銭湯は。
武士の家族も、町人の家族も
一緒に利用。
洗うのを手伝う「三助」は。
男も女も洗う。
それと、古くから銭湯は。
「湯屋」と呼ばれた遊興施設。
明暦3年に、幕府が禁止する
までは、「湯女」がいた。
湯女は、昼は客の体を洗い。
夕方からは、オモテナシ。
銭湯の二階は、男は碁や将棋。
女は茶飲みをする、社交場。
夏は浴衣姿だが、少し寒いと
上から丹前を羽織る。
丹前の元々の由来は。
吉原の遊女「勝山」が、
湯女の頃。湯屋の前に、
越後の堀丹後守の下屋敷。
勝山目当てに、湯屋通いする
男衆が羽織った袢纏姿を。
丹前と呼んだ。
◆
お話、変わって。
税金のことを。ざっくり。
納税者は、主に農民。
年貢と言われる土地使用税。
*農作物の出来高に関係ない。
商人は、「運上金・冥加金」
と言われる営業税。
町人の中で、奉公人や無職の
者。そして、寺・神社関係者
は納税義務なし。
勿論、武士には義務なし。
不公平と言えば、不公平。
されど、この時代の人口の
「士農工商の構成比率」
に注目あれ。
・農民、 85%(60%)。
・商人、 5%(10%)。
・武士、 5%(10%)。
・その他、 5%(20%)。
数値は全国平均。()内は江戸町内。
商人には、個人の商人・工人を含む。
江戸の武士には、浪人も含む。
お分かりのように、国民の
圧倒的多数が農民であった。
農民から搾り取ることで、
税収が賄えていたのだ。
「士農工商」の身分序列は、
武士を除いた、納税序列であ
ったのだ。
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妄想小説・第7作
『隠居探偵』
配信《1月1日》開始
300年前の江戸八百八町。
妄想小説が故。
奇想天外、奇々怪々。
言葉遣いも、時代考証も。
お構いなしの、展開。
果たして、サスペンスか人情
ものか、それとも・・・
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