コロナのパンデミックが
叫ばれ始めた頃から。
普通の理髪店から、
格安カット店に変えた。
特別の理由は無いが。
強いて言えば、
・カットの対象(頭髪)が、
極めて少なくなった。
・外出が減り、お洒落に気を
使わなくなった。
洗髪と顔剃りが無いだけで、
不便も不満も感じない。
近ごろは、座って10分どこ
ろか、5分で終了の場合も。
以前の料金は、凡そ5倍。
時間は予約してあっても、
90分くらい。
その間、無言と言うことは
ほぼ無い。
必然的に理容師さんと、
世間話に興ずる。
格安店には、不要な行為。
ところが、今日の理容師さん
は違った。
7分間、会話が続いた。
どんな話かと言うと。
たまたま、
鰯の頭が着ていた、厚手の
パーカーの背中の部分に。
ある「絵画」のプリントが。
それを見て、
「お客さん、この絵。なんで
したっけ」
「ここまで来てるんだけど。
ダメ、思い出さない」
と、手に持ったハサミを自分
の首に当てて、話し掛けて来
た。
何かを思い出そうとすると
き。
「ここまで、来ている」
と、胸の上や首の途中に、
手を当てる仕草。
「おいおい、ハサミは危ない」
と、心の中で呟きながら。
鰯の頭は、すぐに答えず。
「喉まで来てるなら。ヒント
を出すよ」
と言って。
「ヒント。描いた人はオラン
ダの画家」
全く、ヒントになっていない
様子なので。
「じゃ。ナントカの少女」
と、言うと。
理容師さんは、暫くの間
チョキチョキとハサミを
動かしながら。
「わかった。耳飾りの少女」
と、言った。
「惜しい。もう一声」
と言ったが、続かなかった。
「真珠の耳飾りの少女」
「ヨハネス・フェルメール」
の作品。正解を告げた。
この十数年間、ヨーロッパの
主要な美術館・博物館を観て
回ったが、ほぼ忘れている。
オランダのデン・ハーグの
マウリッツハイス美術館で
鑑賞。
覚えている数少ない作品の
一つが、これだった。
別名「青いターバンの少女」
「ターバンを巻いた少女」と
も呼ばれる。
超蛇足ながら、
この絵画、今日オークション
に出品したなら。
150憶円は下らないとか。
着ていたのは、二年前に地元
のイオンのセール品。
確か、二千円だったような。
千円床屋で、こんな会話を
する鰯の頭。
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このブログは、鰯の頭の感想
です。何人にも強要するもの
ではありません。
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