妄想小説「ヒジャブ」、当初予定では

今日(全39話)で終了の予定だっ

たが。

最後になって、へんな回想録を書き

始めたので。

あと何話か、追加することに。

 

 

〈今夜の主な登場人物〉

 

・西城ひろみ(出所した男・元チンピラ)

 ・劉詩(美人ピアニスト・中国人)

 ・黒田志麻(クラブのママ・本名ミドリ)

・黒田賢治(黒田組組長・フィクサー)

 ・岡田栄作(商社常務)

・サーディン(妄想作家・元商社マン)

 

 

突然、乱入して来た男「西城ひろみ」。

黒服たちが取り囲んでも、制止できな

いくらい興奮状態。

その横で、額から鮮血を流すソ連(現ロシア)

高官P氏。

奇声を上げ逃げ(まど)うホステスや、他の

客たち。

 

そこに、数人の制服警官が割込んだ。

店の誰かが通報したのだろうか。

実に、警察官の出現が速かった。

男は、現行犯で身柄(みがら)拘束(こうそく)され。

築地警察署に、連行された。

 

P氏は、救急車で「聖路加(せいろか)国際病院

に運ばれ。岡田常務とサーディンは、

付き添った。

 

警察官は、男を連行する際。

暴行傷害の現行犯」と言ったが。

P氏の傷害(流血)は、サーディンの

行為によるものだった。

 

それから半年後。

 

高級クラブ「浮き草」で、傷害事件を

起こした刑務所帰りの西城ひろみが。

どのような経緯(いきさつ)からか、

西麻布の新規オープンの、クラブ

マネージャーになっていた。

 

黒田組長は、

娘との結婚を認めなかったが。

1憶円の「身代わり代」を支払った。

西条は、

黒田がオープンした。

高級クラブ「()(ぐも)」の支配人(マネージャー)

 

西城は、店のオープンに際し。

「浮き草」から、ピアニストを一人

引き抜いた。

彼女の名は、「(リウ)(シー)」。

そのまま女優デビュー出来そうな美女

細い指先が、鍵盤(けんばん)華麗(かれい)(あやつ)る姿に

一目(ひとめ)()れだった。

 

       

 

日本経済は、バブル期のとば(ぐち)

西麻布の高級クラブ「()(ぐも)」は、

開店当初から大繁盛した。

 

銀座や六本木との違いが、ある(しゅ)

西麻布」の街の不思議な魅力

 

西城は、店に程近い南青山に。

瀟洒(しょうしゃ)なマンションの一室を、

(リウ)(シー)に与え同棲(どうせい)

 

 

(商社)社の岡田常務は、「浮き草」の

ママ・黒田志麻に、ぞっこん

毎月多額の経費(交際費)を、ここに落とした。

 

一方、独身貴族のサーディン

プライベートは「浮き雲」に通った。

オープンして一年もしない内に、

(リウ)(シー)が、ママに昇格していた。

 

 

 

銀座「浮き草」と、西麻布「浮き雲

実質のオーナーは、黒田組の(親分)長。

黒田志麻の実父・黒田(くろだ)賢治(けんじ)である。

このことは、岡田常務もサーディンも

知っていた。

そして、黒田が政財界のフィクサー

あることも。

 

都内の繁華街には、

銀座を中心に「ビル(丸賢)」が立ち並ぶ。

これらは、黒田組の不動産。

 

 

時同じくして、都内の一等地に。

次々にオフィスビルを建てたのが、

森下開発」。

 

市街地再開発事業は、利権(りけん)の草刈り場。

魑魅(ちみ)魍魎(もうりょう)の世界。

必然的に、

政財界とそれを取持つフィクサーが

暗躍(あんやく)することになる。

その闇の中で、黒田と森下は繋がって

いた。

 

 

西麻布の「浮き雲」には、

特別VIPルームがあった。

これは、組長の黒田が西城に命じて

造らせた部屋。

 

幾つかの通路とドアを(へだ)てた、

先にその部屋があった。

恐らく、この部屋一室だけで数億円

投じられたであろう程の豪華(ごうか)絢爛(けんらん)さ。

 

ベルサイユ宮殿の鏡の間」とまでは

言わないが、度肝(どぎも)()く豪華さ

壁の絵画や、数々の調度品の全てが。

歴史的美術的に、

本物と錯覚するくらいの出来栄(できば)え。

 

そして、

「どんな意味が、あるのか不明」だが。

この部屋の中では、

男も女も全員、ヒジャブの着用

が、定められていた。

 

     

 

この続きは、また明日の晩に

 

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小説の設定は、オスマン帝国やペルシャ帝

国やローマ帝国。中世ヨーロッパの国々。

さらにアジア諸国。ついに日本も。

最後は、回想録までも。

 

妄想小説ゆえ、どこが舞台なのか。

その日の、キーボード任せ。

 

*ヒジャブ:イスラム教の経典(コーラン)

 では、女性は顔をヒジャブ(スカーフ)

 で覆うことが義務と記されている。

 

歴史的事実との齟齬・時代考証の矛盾は

妄想小説の特権として、ご容赦願うなり

 

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