犬上御田鍬を団長とする遣唐使と
一緒に、倭の国を離れたジンジン。
帆船には、ペルシャ絨毯と交換した
大量の金塊を積んでいた。
船は、現在の地図では上海から
数十キロ内陸に入った港に着いた。
このころ、上海の辺りは海の下で。
下海と呼ばれていた。
宋の時代に地殻変動で、海底が隆起。
その陸地を、上海と言うように。
遣唐使とジンジン家族は、シルクロ
ードを西に。
唐の都「長安」(現西安)へ。
再び長安に舞い戻ったジンジン。
倭の国の都「平安京」が、実は長安
の模倣だったのが良く分かった。
街造りから建造物に至るまで、色濃く
その影響を受けていたことを。
ここで遣唐使と別れ、牛車からラクダ
に乗り換え。商隊と共にシルクロード
を只管、ペルシャに向かった。
生まれて半年の息子ジンバットと、
妻アマスの三人で。
パルミラ帝国を出発し、
エジプトに向かってから。
不確実な年月が、経過していた。
*ジンバット、どこかで必ず出番があるので
待っててね。
突然だが
妄想小説が故、場面が大転換。
主人公も、入れ代わった。
主人公の名前は、
「ドン・テーホキ」本名キホ。
舞台は、
イベリア半島の、ある国。
〈今夜の主な登場人物〉
・ドン・テーホキ(妄想老人・本名キホ)
・ユキドーナ(テーホキの妻になる予定)
・宿の主人
五十歳を越えたドン・キホ。
無類の本好き農民。
物語の世界に没頭し過ぎて、
「妄想爺」になった。
ある朝、起きると。
「さすらいの騎士になって、世直し
の旅に出よう」
と決心し、痩せた馬を買った。
出発前に、旅先で可愛い娘に出会っ
たら求婚して。
「名をユキドーナ」
と、呼ぼうと決めたのだった。
旅の初日。
キホは、宿に着くと。
主人に、
「城主殿、私は騎士の見習い。正式
な騎士になる為に、叙任式を執り
行なって欲しい」
と、申し出ると。
主人は、内心。
「爺、狂人なのか。まぁいいや、
からかってやろう」
と思い、
「儀式には、金が要る。金貨が三枚」
と言ってやった。
キホは、
「城主殿、金貨は用心のために。
馬の腹の中に、隠してある。朝に
なったら必ず支払う」
と言った。
宿の主人は、泊り客の協力を得て。
偽の叙任式を執り行なった。
そして、キホは。
騎士名「ドン・テーホキ」となった。
翌朝、宿の主人が。
「約束通り、金貨三枚を頂こうか」
と手を出すと。
ドン・テーホキは、徐に・・・
「この続きは、また明日の晩に」
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小説の設定は、オスマン帝国やペルシャ帝国
やローマ帝国。はたまた、中世ヨーロッパの
国々。さらにアジア諸国までが。
妄想小説ゆえ、どこが舞台なのか。
その日の、キーボード任せ。
*ヒジャブ:イスラム教の経典(コーラン)
では、女性は顔をヒジャブ(スカーフ)
で覆うことが義務と記されている。
歴史的事実との齟齬・時代考証の矛盾は。
妄想小説の特権として、ご容赦願うなり。
全39話を予定。
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