久しぶりの更新です

このところの寒暖差でちょっとグッタリしてしまっていました。

 

そんな時は「描く」と決めて、「いつでもいいのよ」という優しい言葉に甘えて冬からお待たせしてしまっていた

地元のたい焼き屋さんにご依頼いただいたイラストを描き始めました。

 

そこの猫ちゃんは前足が白手袋(靴下を穿いているみたいに白い)のですが

そもそも猫の毛色、柄って、一体どうやって色が決まるのか?どう混ざって模様になるのか?

犬猫病院に絵を置いていただくようになって、その発現の不思議さがずっと気になっていました。

同じ親から生まれた兄弟でも毛色や柄がまるで違う。どういう事が猫たちの体で起きているのか

その手掛かりとなる記事を朝日新聞社のサイト

 

■猫の柄や毛色は遺伝子で決まる

 

 

 

で見つけたのでちょこっとカブれてみました。

題して「猫の遺伝座図譜」←ちょいっと「らんまん」の万太郎さんに寄せてみた。

 

とは言え、

サイトで使用されていたお写真は使用できないと思ったので、図に登場する猫の絵は、私の拙絵で、、、

ですので、お見苦しい点はご容赦を。

 

それにサビ猫さんはまだちゃんと描いたことなかったので、

佐渡犬猫病院のマドンナ美津子さんのお写真をお借りしました。

 

 

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かなり縦長になってしまったので、

興味ない方、猫好きでない方は読み飛ばして下さいね。

 

◆◇ソースを垂らしたように色が付いていく法則

 

猫の毛柄は「背中からソースを垂らしたように色が付いていく」という法則があるそうです。

 

例えば、白黒猫では黒いブチ(斑点)やマーブルの模様が出やすいのは背中や脇腹、頭などで、お腹の中心は白くなるのだそうです。

更に、親がキジでもクロでも親子で同じ毛色が生まれるとは限らない。そこが猫の毛の発現の不思議さ。

 

2006/03/29制作/画材:パステル&色鉛筆・B3サイズBSケントボード(白細目)

 

野生型のキジトラ親からサバトラ・茶トラが生まれ、同じくキジトラから黒や白も、サビや三毛も生まれます。

親猫と全く違う毛色・柄の子猫が生まれることがあるのは劣性遺伝子が孫の世代以降にまで飛び超えて受け継がれるためです。

 

◆◇イエネコのルーツは中東に生息するリビアヤマネコ

 

現在イエネコのルーツは中東に生息するリビアヤマネコと言われています

風景に身を隠しやすい黒と茶の縞模様の遺伝子が家畜化し、愛玩動物として飼われていくうち長い年月をかけ、突然変異を繰り返して様々な毛柄になったと言われています。

 

その為、現在のキジトラ猫がもっとも野生のリビアヤマネコに近い毛柄だと言われています。

 

2015/11/20/画材:パステル&色鉛筆・BSケントボード(白細目)

 

◆◇猫の毛柄を決める9つの「遺伝座」

 

猫がどんな毛色や柄になるかは「遺伝子座」という染色体の一部が関与するのだという。

 

 

遺伝子座には

 

W(ホワイト/白)O(オレンジ/茶)A(アグーチ/1本の毛に縞が入る)

B(ブラック/黒)C(カラーポイント/顔や体の先の方に色が出る)

T(タビー/縞)I(インヒビター/シルバーが出る)D(ダイリュート/色を濃くする)

S(スポッティング/体の一部を白くする)

の9種類があるそうだ。

 

それに優性、劣性の遺伝子が組み合わさり、その遺伝子が強く出るかで猫の毛柄が決まります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇三毛猫にオスは、まずいない

 

2020/04/16:Lアイボリー画集より習作

画材:パステル&色鉛筆・A4サイズBBケントボード(白細目)

 

特に遺伝の仕方がユニークなのが三毛猫です。

三毛猫は、茶・黒・(またはキジトラ)・白の3色の柄が出ている猫。

この三毛猫はオスでは「3万分の1」の確率でしか生まれてこないと言われています。

 

三毛の茶色を決めるO遺伝子だけは、性染色体のX染色体上にあります。

メスはXX染色体で、オスはXY染色体。オスは茶(O)と黒(B)或いは縞(o)の2色を持つことができません。

この結果、オスの三毛猫が生まれるのは染色体異常の時だけで、とても珍しい為、

航海のお守りとして珍重された時代があります。

 

かつて南極観測隊が「タケシ」というオスの三毛猫を航海に同行させ、

疲れた隊員たちを癒したこともあったそうです。

 

◆◇時代や地域によって毛柄の好みによる人為的選抜

 

時代や地域によって毛柄の好みによる、人為的選抜があったのだろうと語る研究者もいて、

茶色(オレンジ色)を持つ猫は西ヨーロッパでは36%以下なのに対して、

東アジアでは50%以上に達する地域もあるのだとか。

人間の好みで増えたり減らされたりした悲しい歴史もあるようです。

 

◆◇鍵シッポは鎖国時代にやってきた。シッポも遺伝する。

 

2005/02/01制作/画材:パステル&色鉛筆・BBケントボード(白細目)

 

本来猫の尾は長い方がバランスがとりやすいハズですが、

長崎県では「尾曲がり」と呼ばれ、曲がったシッポの猫が多いことで有名です。

なんと70%の猫が尾曲がりで、典型的なのは先が折れた鍵シッポ。

ポンポンのような短い尾や尾がほとんどない子もいます。

 

因みに、尾曲がりは今もタイ・マレーシア・インドネシアなどに多いといいます。

 

日本が鎖国をしていた時代、東インド会社の本部があったジャカルタから船が猫を乗せて長崎までやってきました。

それが「尾曲がり猫」で長崎に根付いたと考えられています。

さらに「尾曲がり」がそのあと日本全土にも広まったのは、「負の選抜」を受けなかったから。

つまり地元で愛されたからでしょう

 

昔は長い尾は年をとって猫又になると考えられたり、

もっとリアルなところでは、尾が長いとお膳の上の箸やお椀を振り払ってしまうので、

尾が短くて粗相しない鍵シッポの猫はお行儀がいい「イイね!」と大事にされてきたのかもしれません。

「イイね!」大事ですね、私も大好物です♪

 

 

参考書籍(東京書籍:トラねこのトリセツより)