12月前半に名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマで鑑賞した日本映画の新作2本です。1本目のアニメーション映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は、戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した同名の原作漫画を映画化したもの。原作者・武田一義はシナリオを共同執筆しています。
2本目の映画『ナイトフラワー』は、『ミッドナイトスワン』『逆火』の内田英治監督が北川景子を主演に迎えて撮り上げたヒューマンサスペンス。借金取りに追われる母親が子どもたちのため危険な世界へと足を踏み入れていく姿をスリリングに描き出す。ミッドランドスクエアシネマ(シニア当日1,300円と8ポイント獲得の無料鑑賞)。![]()
以下は映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』公式サイトに記載の紹介ストーリー(一部)です。
太平洋戦争末期の昭和19年、南国の美しい島・ペリリュー島。そこに、21歳の日本兵士・田丸はいた。漫画家志望の田丸は、その才を買われ、特別な任務を命じられる。それは亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」という仕事だった。9月15日、米軍におけるペリリュー島攻撃が始まる。襲いかかるのは4万人以上の米軍の精鋭たち。対する日本軍は1万人。![]()
繰り返される砲爆撃に鳴りやまない銃声、脳裏にこびりついて離れない兵士たちの悲痛な叫び。隣にいた仲間が一瞬で亡くなり、いつ死ぬかわからない極限状態の中で耐えがたい飢えや渇き、伝染病にも襲われる。日本軍は次第に追い詰められ、玉砕すらも禁じられ、苦し紛れの時間稼ぎで満身創痍のまま持久戦を強いられてゆく――。
いつ死ぬかわからない恐怖、飢えや渇き、伝染病にも襲われ、極限状態に追い込まれていく中で、田丸(声/板垣李光人)は正しいことが何なのかも分からないまま、仲間の死を時に嘘を交えて美談に仕立て上げていく。そんな田丸の支えとなったのは、同期でありながら頼れる上等兵・吉敷佳助(声/中村倫也)の存在だった。![]()
圧倒的な米軍の戦闘力の前に、日本軍は蹴散らされるように多くの兵士が死んでいきます。それでも生き残った兵士たちはジャングルに潜み、仲間たちを見つけては命じられた持久戦の継続をめざします。田丸と吉敷の2人もお互いに励まし合い、窮地を助け合い、故郷の家族のことなどを語らいながら、絆を深めていくのですが…。
アニメーションに描かれたキャラクターは、かなりマンガ的な造形です。ただし、米軍との戦闘シーンなど激しい描写です。そして“終戦”を知ることになりながら、戦闘の継続について対立する敗残兵の様子など、ドラマ作りは痛ましさとリアルさが共存している印象。キャラクターのマンガ的なタッチに救われている気がします。![]()
(2025年、監督/久慈悟郎、脚本/西村ジュンジ、原作・脚本/武田一義、キャラクターデザイン・総作画監督/中森良治、音楽/川井憲次、主題歌/上白石萌音)

以下は映画『ナイトフラワー』公式サイトに記載の紹介ストーリーです。
借⾦取りに追われ、⼆⼈の⼦供を抱えて東京へ逃げてきた夏希(北川景子)は、昼夜を問わず必死に働きながらも、明⽇⾷べるものにさえ困る⽣活を送っていた。ある日、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、子供たちのために自らもドラッグの売人になることを決意する。![]()
そんな夏希の前に現れたのは、孤独を抱える格闘家・多摩恵(森田望智)。夜の街のルールを何も知らない夏希を見かね、「守ってやるよ」とボディーガード役を買って出る。タッグを組み、夜の街でドラッグを売り捌いていく二人。ところがある女子大生の死をきっかけに、二人の運命は思わぬ方向へ狂い出す――。
借金取りに追われ、関西から2人の子どもを連れて東京へ逃げてきた夏希。必死に働いてもなお、明日の食べものにさえ困る生活を送っていたある日、夜の街でドラッグの密売現場に遭遇する。自ら売人になることを決意する夏希ですが、シロウトの商売はすぐに組織の知ることになり、彼女は組織のメンバーに痛めつけられることに。![]()
現場にたまたま居合わせた、孤独を抱える格闘家・多摩恵は夏希に商売上のボディガード役を買って出ます。タッグを組んだ2人の商売は順調で、お互いの心の交流も夏希の子どもたちを交えながら進んでいく。でも、世の中はそんな甘い展開を許容はしません。ドラッグを購入していた女子大生の死が彼女たちの運命を暗転させます…。
やさぐれたシングルマザーを北川景子が演じ、ボディガードとなる女性格闘家・多摩恵を演じるのは実写映画『シティーハンター』の森田望智。本編では格闘家として戦う姿を突き詰めるような熱演ぶりでした。Netflixの配信ドラマ「全裸監督」で話題になった女優で、2027年にはNHKの連続テレビ小説で主演を演じるとか。凄いね。![]()
(2025年、原案・脚本・監督/内田英治、撮影/山田弘樹、照明/野田真基、録音/大堀太輔、美術/佐々木理恵、編集/小美野昌史、音楽/小林洋平)




































