高橋 巌@日大教員 です。

 このブログを活用する時がやってきました。もっと楽しい話をしたかったのですが・・残念です。

 

 私が理事の末席を務める日本有機農業学会では、家畜放牧中止に関して意見書を出しました。この件に関しまして、その問題点を皆様にもお伝えし、ご助力をお願いする次第です。

 問題の背景は以下のとおりです。
 今般、農水省が「飼養衛生管理基準」を改定することとなりましたが、これに伴い、豚熱・口蹄疫など家畜伝染病の発生時には、牛等を含む全畜種の放牧中止措置が含まれることが判明しました。
 しかも、パブリックコメントの締切が2020年6月11日(木)であり、かつ、省令改正に伴う運用開始が2020年7月1日という、あまりに拙速な対応となるものでした。

 しかし、我々や畜産関係者が主張するように、放牧を中止しなければならない緊急性や科学的根拠は存在しません。しかも、「中止」とはいうものの、放牧養豚などにおいては基本的かつ長期的に「放牧禁止」措置につながる極めて強制力の高いことが明らかになっており
ます。

 もとより、安全な食を求める関係者は、生産者・消費者の立場を越え、かねてより産直等による連携を行ってきたことは言うまでもありません。
 日本の畜産は、国土面積の制約等もあって放牧することが困難な環境ではあるものの、太陽の光を浴びて運動しながら健康的に育つ牛・豚等の生産を追求する生産者も存在します。
 具体的な形態は、放牧養豚や放し飼い養鶏、放牧酪農や山地酪農など多様な形態があります。そしてそのような生産者の生産物は、一部生協をはじめ心ある消費者組織・事業者との協同性により、生産の持続性を確保しております。

 しかし、事実上の「放牧禁止」などという事態になれば、豚熱の収束は程遠くその他の家畜伝染病の懸念もあるもとでは、放牧養豚農家では廃業が必至であるとともに、牛等までその影響が拡大すれば、日本から「家畜の放牧」そのものがなくなるという事態になりかねません。
 諸外国では、狭い畜舎の禁止や放牧の推奨は常識になりつつあり、アニマルウエルフェアの重視なども拡がりつつあります。
 しかるに今般の措置は、【唯一世界で、日本だけ家畜の放牧がなくなる】という最悪かつ異常な事態にもつながりかねないといえます。

 お読みいただいた皆さん方は、畜産との馴染みが薄い方々も多いとは思いますが、今般の事態の重大性を踏まえ、別添及び以下の記載事項をお読みいただき、ご協力ください。

 

1.農水省のHP該当ページは以下のとおりです。

 農水省「飼養衛生管理基準について」

 https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_shiyou/

 

2.パブリックコメントの締切は、2020年6月11日(木)です。ご協力をお願いします!

 農水省「家畜伝染病予防法施行規則の一部を改正する省令案の意見・情報の募集について」

 https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550003113&Mode=0

 

3.農水省の担当は以下です。

 消費・安全局動物衛生課

 担当者:病原体管理班
 代表:03-3502-8111(内線4581)
 ダイヤルイン:03-6744-7144
 FAX:03-3502-3385

 

4.日本有機農業学会意見書は以下のとおりです(写真ファイル添付)。

 

5.反対のご助力いただける方は、以下のURLでのご署名をお願いします。
 【署名ページ:短縮URL】ページ移動をご確認願います
 「農林水産省は感染症予防対策としての家畜放牧禁止を見直してください!」
 https://ux.nu/lZHGP

 重ねて、ご理解・ご協力よろしくお願いします。

 

 高橋 巌(日大教員)

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