誰かに呼ばれた気がして振り返ったが、誰もいなかった。


ただ夕日に伸びた私の影があるだけだ。


おかしいな…そう思っているとまた声が。


今度のは悲鳴に近く、獣が肉を貪るような不気味な音まで聞こえた。


だが振り向いても、やはり誰もいない。先程より大きくなった私の影があるだけだ。


(完)



【ツイッターからの転載/http://twitter.com/chocolatesity