10月23日(金)曇り&雨 亡くなった人は・・・=『ここにいる』
働き者で、日ごろは厳しかったし、あまりおしゃべりはしなかったけれど、わたしたちをひざにすわらせて、ネコの絵を描いてくれたりした。私は絵描きさんになりたいと思うようになった。反対する人もあったけれど、私は「この人」と結婚することにした。「悪い人にはとても見えない」と、おとうさんは言った。4人の子どもが生まれて、おとうさんはおじいちゃんになった。
そして、施設で寝て暮らすようになった。私はキツネの出てくる話を読んで聞かせた。
「ああ、こんなに きもちよう 物語の世界をさまよったのは、うまれてはじめてだ」と言ったのは、亡くなる三日前だった。
「たびだちのとき、にわの花がいっせいにさいて、さようならといいました。
おめでとう おめでとう
この人生をまっとうしたおとうさん
おめでとう」
故郷の駅に立っても、もうおとうさんが迎えに来ることはないけれど、
「わたしが おもえば、いつも
ここに いる。」
お父さんに視点を据えて描いていく。余計な語りのない展開がいい。心に深く残るものがある。
そうそう、カバー裏、見開きには思い出の品々が描かれている。ここからも「お話づくり」ができそう。
あおきひろえ作『ここにいる』(廣済堂あかつきKK、2020.7)杉並図書館の本
