11月4日(日)曇り 29「B8感謝」⑤ 「わすれないよ、おじいちゃん、おばあちゃん」

 

 おじいちゃん、おばあちゃんとの別れという絵本がたくさん出るようになったのは、1970年代からだ。統計を見れば明らかなことだが、1970年代になって急激に平均寿命が延びる。これには2つの理由がある(と思う)。

1つは、乳幼児死亡率が下がることだ。医学の進歩・普及だと言える。2つ目は、もちろん、70歳代からの高齢者の増加だ。まあ、要するに長生きするようになった。これは世界中の傾向として言えることで、日本でも急増する。その原因はいろいろな見解がある。医学の進歩もある。健康への知識、関心が高まるようになったという見解もある。私は、一番大きいのは70年代に社会保障が前進して、乳幼児医療や高齢者医療の公的保障が進んだことだと思う。日本では各地で「革新自治体」が生まれ、公害対策・環境と進んだ。それは、保守化が戻っても、取り返すことはできなかった。

さて、60年代までの絵本では、おじいさん、おばあさんは、昔話の中だった。つまり、死ななかった。ところが、70年代から「長生き」するようになったおじいちゃん、おばあちゃんは(呼び方も翻訳も「ちゃん」になった)、適当な(!)ところで死ぬようになったのだ。いくつかの絵本を取り上げ、その結びのページの文を紹介したい。

さて、『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』(1996オリジナル発行、まつおかきょうこ訳福音館2008)はシンプルなのに、深い感動。みんなが涙を流している場面も心にしみる。

「うさこちゃんは おはかのまえで/だいすきな おばあちゃん と よびかけます。/すると、おばあちゃんが ちゃんと/きいていてくれるのが わかります。」

ファンの多いジョン・バーニンガムの『おじいちゃん』(たにかわしゅんたろう訳,ほるぷ出版1985)もシンプル、語りがさわやか。失ったものの大きさ、意味を絵と共に深く伝えている。

「あしたは いっしょにあふりかにいって、おじいちゃんは せんちょうになってくれる?」

『1000の星のむこうに』(木本栄・訳、岩波書店2007)もすごくいい。ママが娘に言う。

「わたしたちには、ただ、おじいちゃんがみえなくなっただけだとおもうの」と。ここから先は読んでください。

「「ねえ、ママ」

 リサは、やっといいました。

 「おじいちゃんは、数みたいだね。さいしょからわたしのなかにあって、ずうっとずうっと、おわらないの」

日本の絵本では、『星にむすばれて』(文研出版2009)。谷川俊太郎・文、えびなみつる・絵。星を眺めることが大好きだったおじいちゃんは、孫のぼくにもずっと空(天空)のすばらしさを伝えてくれた。おじいちゃんは亡くなったけど、ぼくは星の大好きな少年になった。

「こどものころつかった ぼうえんきょうを

 おじいちゃんは ぼくにのこしてくれた

 おじいちゃんは このそらのどこかにいる

 ほしぞらをみていると ぼくにはそれがわかる」

 …、「絵本の中のおじいちゃん、おばあちゃん」を語っていると、それだけで、一冊書けるように思う。そして、私もその物語の中に踏み込んでいる。

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 さて、もう一つのおじいちゃん、おばあちゃんの取りあげ方があるが、それは「C-15 家族愛」で触れることにしたい。

  *今日は我が家の前の通りが「落書き通り」となる。バスも路線変更する。もうすぐ11時から始まる。楽しみ。善福寺公園は3-23日、トロールの森というアートイベントが開かれている。