10月30日(火)晴れ 24「7親切・思いやり」④『雲のピアノ』

 あまんきみこさんの物語はやさしさ、思いやりに満ちている。例えば、「車の色は空の色」シリーズの中でも有名な「白いぼうし」がある。ほとんどの国語教科書4年の最初の教材として取り上げられているので、主人公の松井さんは日本でもっとも有名なタクシー・ドライバーということになる。道端で見つけた白い帽子を取り上げると、中からモンシロチョウが飛び出す。そして、傍らで女の子が「菜の花横町」まで乗せていってくれとたのむので、近くまで行くと、女の子は消えていた。外にはたくさんのチョウが飛んでいて、「よかったね」「よかったね」という声が、松井さんには聞こえた…、という作品。

 このシリーズは松井さんの人柄の良さが滲みだしてくるのだが、そのやさしさ、自然な思いやりが伝わってくる。

 同じようなファンタジーで、次にすすめたいのが、『雲のピアノ』(いせひでこ絵、講談社1995)だ。こちらの主人公はピアノ調律師の青木タミオさん。独身男性。30代半ばだろうか。その姉の子どもであるヒロシとチカが、「おじさん」のために母の手作り弁当を届けに行って、そこでおじさんから聞くちょっと不思議で楽しいお仕事の話である。ある時は、黒猫に頼まれ(『海のピアノ』)、野ねずみに頼まれ(野のピアノ))、きつね学校の校長先生にたのまれ(『森のピアノ』)などして、かわいいピアノを手弁当で調律する。まさにボランティアである。気のいいおじさんのファンタジーなお話を楽しく聞く二人。思いやりとはこういうことではないだろうか。この二人もまた、おじさんのようなやさしい人になっていくのだろうと思わせる。

 5つの短編から構成されているので、連続読み聞かせにしたい。また、チームで分担して、自分たちの読んだところの作品紹介をしあうのも楽しい。一つの作品であるテーマを押さえるよりは、この