『君たちは・・・』ブーム、梨木果歩さんの見解

 5月10日(木)雨のち薄曇り

 

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』のブームはまだ続いている。このことについて、作家・梨木果歩さんが、岩波書店の月刊誌『図書』(5月号)の中で二つの深い指摘をしている。梨木さんご自身は、『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社2011)で、今日の状況の中学生を描いている。あまり長い引用は避けたいので、ぜひ図書館等で読んでいただきたい。

一つは「自分をジャッジする視座を外界に置かず、自身の内側に軸足を持つ、コぺル君の内省はそのための足場作りのようなものだ。…評価する主体をこちら側に取り戻したいという無意識の欲求が、広くこの「流行」の底にあるのではないか」

もう一つは、「子どもたちに向ける熱のこもったまなざし」である。「この作品に滲む、「子どもたちを守りたい」という「育む力」の強さ」と指摘する。

「吉野源三郎のヒューマニズム、人間中心主義を私たちがもう一度必要としている、それゆえの、これは「流行」なのだと思いたい。」と。

「強すぎる政府、多数を占める組織の決定したことに対する無力感が日本全土を覆っているように思っていた。加えてインターネット等に囲まれて成長する情操への不安。だが世の中があまりに極端に走るとき、必ずそのバランスを取ろうとする力も生まれてくる」

ぜひ、梨木さんも『僕は・・・・』と併せて読んでほしいと思う。