ありがとう、かこさとしさん!
5月10日(木)曇り
かこさとしさんが亡くなられて、アニマシオンクラブも機関紙『ファンタジスタ88』(6月1日発行)で「私の1冊」を特集しようと思っている。神田のブックハウスでは、入り口際に「かこさとしさん、ありがとう」のコーナーを設けてあった。どれも教室に持ち込んだり、娘や孫と読んできたりした本だ。
その中に1冊、新しい本があった。『過去六年間を顧みて』(偕成社2018.3、1600円)。加古里子=本名・中島哲少年が小学校卒業が近づいたある日、先生がそれまでの小学校生活をまとめるようにと言って、どっさりの原稿用紙を教卓に積まれたそうだ。それに発奮して書き上げた文集が、父の手元に残されていたのである。
それには「私の絵画やコンクールなどでの症状やメダルの写真を残してくれていた。…私の知らぬ間に、賞状やスケッチ大会のメダルなど、苦々しく思っていたと考えていた父が、きちんと全部写真として整理、残してくれた配慮を知って胸が詰まった」と書いている。
6年間の思い出は戦争の時代でもあって、それらはかこさとし氏が解説を書き加えている。
かこさとしはかくしてつくられた――というものである。最後のお仕事だったのだろうと思う。

