1月23日(月)晴 シニア読書会1月『世界地図の下書き』

 

 冷え込んできました。暦は大寒です。さすがですね。

 今日は月例のアニマシオンクラブ銀読書会でした。朝井リョウの 『世界地図の下書き』(私は集英社文庫)。児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことになった少年少女たちの物語。その中の5人が作る班の次第に一つの仲間=「家族」を形成していく話だ。主人公は泰輔3年生。両親が交通事故で突然に亡くなってしまった。リーダー役は佐緒里中3.それに泰輔と同級の淳也。その妹の麻利1年。美保子2年。

 物語はその3年後に入って展開していく。最終的には、高校を卒業して施設を出ていく佐緒里のために、4人が廃止されてしまったランタン飛ばし(願い飛ばし)を復活させる。ありえないといえば、それまで。それで何かが解決されるのでもない。しかし、「希望は減らない(持ち続け、カタり続けよう)」「きっと信じあえる人に出会える」、生きていこうというメッセージだ。

 最近、読書会の批評の仕方が厳しくなったのは、「加齢」のせいだろう。こんなことがありうるのか、しっかり問題が解決しているのか…。私は児童文学と言えど、今日の状況と向き合うからには、「幸せな結末」でハッピーエンドとは描けないと思う。しかし、その方向はしめしていかなければいけないと思っている。

 次回は、2月20日(月)13:30~16:00.『テオの「ありがとう」ノート』(クロディーヌ・ル・グイック著)です。問い合わせは岩辺まで。