9月26日(月)曇り ことばあそび⑦積み重ね詩(うた)にも豊かな発想を

=『のみのぴこ』+α

 

マザーグースの「これはジャックのたてた家」を踏まえた、谷川俊太郎さんの『これはのみのぴこ』(サンリード)。3年生の時、森田貢一郎くんは「これは うちの家族」と題して紹介した。

――これは うちの家族

   *

  これは うちの家族の

  声の大きな 弟のかずひろ

   *

  これは うちの家族の

  声の大きな 弟のかずひろの

  歌の好きな 妹のゆき

  ……   ――

と続く。この場合、オチが大事。まず、どうラストを結ぶかを考えて、間を綴っていくことだ。

●さて、『お手紙』などで親しまれるアーノルド・ローベルには『わたしの庭のバラの花』(アニタ・ローベル絵、松井るり子訳、セーラー出版)がある。

――これはわたしの庭のバラの花

   *

  これはわたしの庭の、

バラの花でねむるハチ。

……  ――

と続くのだが、最後はどんでんがえしとなる。

●谷川さんの訳による『パパがやいたアップルパイ』(ローレン・トンプソン文、ジョナサン・ビーン絵、ほるぷ出版)は、逆の積み重ねとなる。

――これはパパがやいたあまくてあつあつアップルパイです

   *

  これはあかくておいしいりんごです

  りんごはパパがやいた…・

    *

  これはねじれてたくましいりんごのきです

  きはあかくておいしいりんごをみのらせて

  りんごはパパがやいた…

と、なっていくのです。

そうすると、ラストはどくるか、読んでみたくなるでしょう。

 積み重ね詩といっても、ワンパターンではないですね。詩人たちは豊かな発想でオリジナルを生みだしているのですねえ。