7月18日(月)晴 私のブックトーク8章平和
 ⑩語り継ぐ沖縄戦=『ウミガメと少年』

 野坂昭如・戦争童話集・沖縄編『ウミガメと少年』(徳間書店2008)。野坂さんの静かな語りと、丁寧に描かれた男鹿和雄さんの挿絵がぴったりと合って、深い感動を誘います。ウミガメが産卵に来る沖縄の島々。激しい戦争のさなかにも、ウミガメは産卵に来ました。それを、独りぼっちになった少年が、海辺のガマの中から見ていました。少年は卵を救おうと、帽子に入れて避難させますが、とうとうそれを食べてしまう。その最後の一つが亡くなった時、少年は海の中へ消える。その年の8月15日、ウミガメはやはり同じ場所に産卵にやってくる。
 野坂昭如さんは、戦争童話というジャンルを開拓し、語り継ぐべき「童話」を残してきた。これは、吉永小百合さんが朗読している。
 「平和」の章をこれで終わり、しばらく考えて第9章を始めようと思います。しばらくはアトランダムに最近読んだ本を紹介して行きます。皆さん、ごきげんよう!