先日D800予約の報告をしましたが、

現レンズ資産でFX画角を使いたいため、

D700の後継機を待ち続けていた自分にとって、

予約してまで購入したいと思わせる、

隙のない十分納得の行くものです。

その選定におけるポイントをまとめてみました。


①圧倒的な高解像度

 高解像度について否定的だったのですが、

 サンプル画像を見てしまうと、グラっときてしまいます。

画素数が凄いので、無理してるスペックかと思えますが、

 APS-C機の1800万画素相当なので、

 それほど無理してるようなスペックではなさそう・・。


②実用的なDX、1.2xクロップモード

 APS-CモードでもD7000程度の解像度が得られるため、

 FX/DX兼用機として使えそう。

 また、1.2✕モードもFX/DXの中間的位置づけで、

 かなり使えそう・・・。

  (ファインダー倍率が低いので、クロップモードの

   場合、使いにくいかも知れませんが・・・。)

 DX専用レンズを装着した時は、自動的にDXモードに

 切り替わるので、DXレンズ資産も活用しやすい。

 連射速度が少し寂しい気はしますが、

 データ量が従来の3倍で、この速度は逆に凄いと思います。


   ※FX 35mmフィルムと同じ大きさの撮像サイズ。

        DXと比べ同じ画角でのボケ量が大きく、

        ボケを生かした写真や、風景写真に最適。

        D800では、連射速度が4コマ/秒に制限される。

        フルサイズとも言われてる。


   ※DX FXの1/5程度の撮像サイズ。

        FXに比べ、同じ焦点距離で1.5~1.6倍の

        レンズと同等の画角が得られ、

        スポーツ写真や、倍率を上げて大きく写したいとき 

        などに向いている。

        レンズが小型化できるメリットもある。

        Dx用レンズをFXで使用すると、画面周辺が

        歪んでしまったりする。

        D800では、5コマ/秒、グリップ装着で

        6コマ/秒の連射が可能


   ※1.2x FXの焦点距離1.2倍相当の画角で、

        FX/DXの中間的存在。

        D800では、グリップ有無にかかわらず

        5コマ/秒となる。


③高感度・低感度

  画素数が大幅に増えても、高感度性能がD700と同等か

  それ以上とメーカーでは言っているらしい。

  実際に使ってみないと評価しづらいが、

  実際に高感度サンプル画像(ISO6400 ノイズリダクションなし)

  をA3ノビサイズに 印刷してみたところ、

  さすがに至近距離ではノイズが目立つが、

  30cm以上離してみれば、個人的にはそれほどノイズが

  気にならなかったので、メーカー発表の、実用感度

  ISO100~6400はあながち嘘ではないなと感じました。

  また、従来のNikon機の最低感度ISO200が、

  ISO100にまで拡大されたことも嬉しい。


④D4譲りの高性能AF

  月明かり程度の環境下でもAFできる51点AF。

  一部のAFエリアではF8でも使用できるので、

  テレコンバーターや、暗いレンズでのAF制度に期待。

  また、ライブビューが使いやすくなっているのも○。

  ライブビュー使用時のコントラストAF速度が気になるところ。


⑤91KピクセルRGBセンサによる高精度制御

  従来の1Kピクセルから大きく精細度されたセンサーによって

  露出や、AWB(アドバンスド・ホワイト・バランス)の

  精度向上に期待。

  また、光学ファインダ使用時の顔認識実現したのも○。


④業務用機にも匹敵するの高品位動画機能

  大きなサイズのセンサのセンサや、豊富なレンズ群を生かして、

  家庭用ムービーでは撮れないようなボケを生かした

  動画撮影が可能。

  低輝度環境でもノイズが少ない。

  ボケを活かせるFXベースと、大きく拡大できるDXベースの

  二種類の画角が選べる。

  [ムービーサンプル]

    ・アグレッシブな映画風デモ(笑)。

     ボケを生かした映像と、低輝度でのノイズの少なさが印象的。

     http://vimeo.com/36305675

     こちらは撮影時の模様。

     http://vimeo.com/36306101

    

    ・一転して静かな泣けるムービー

     http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=2auo10nbPvQ

⑤自動感度調整機能

  レンズの焦点距離にあわせて、手ブレしにくいシャッタースピードに

  なる様、感度を自動的に調整する機能。

  手持ち撮影の際の手ブレを抑制でき、撮影に集中できそう。      

D800に対する懸念材料が無い訳ではありません。

①小絞りボケによる、絞り制限

  高画素化により、画素ピッチが狭くなり、光の回折現状による少絞りボケの

  影響を受けにくい最小F値が、小さくなっている。

  D300ではF11、D700ではF16と言われていたのに対し、

  F8が上限らしく、メーカーサンプルにもF8を超える値のサンプルがない。


  これは、サンプルを見ても、F8で十分なシャープさがあり、

  被写界深度も十分な広さがあるので、あまり気にしなくてもいいと思いますが、

  これ以上の高解像度は辛いかも。

  ソニーによる回折限界以上に解像度を高める特許もあるらしいので、

  これ以上の高解像度を求める場合はそのようなものが

  実用化されるのでしょうね。自分にはこれ以上の解像度は必要ありませんが、

  小さいセンサでの有効絞りの拡大には期待してます。

  ちなみに、ソニーで、「回折限界を超える特許」が出願されており、

  それによって、高画素化や、使用できる絞り値が拡大できるので、

  早期に実用化されるのを期待します。

  (ちなみにNikonのデジタル一眼レフのセンサーは、ソニー製が多いらしいです。)

    http://egami.blog.so-net.ne.jp/2011-07-11


   ※光の回折現象と、少絞りボケ

      光が狭いところを通る時に、実際の光線よりも外側に光が回りこんで

      しまうのを、回折現象と言い、それによって、絞りが小さすぎると、

      像がボケてしまうことを少絞りボケと言います。     


②高画素化による、ブレ

  画素ピッチが狭くなったため、ブレに対してシビアになってきます。

  ただ、A3程度の出力での使用ならば、それほどシビアに考えなくても

  いいかもしれません。(画面上で拡大してしまうと気になるかも知れませんが)

  風景写真撮影で、パンフォーカス(絞りを絞って広い範囲にピントを

  合わせること)で撮影する場合、限界F値が小さくなるので、ブレはあまり

  変わらないかも知れませんが・・。

  まあ、風景写真の場合、従来のISO200ではなく、ISO100を多用する

  場合が多くなると思うので、その辺も頭に入れる必要がありますね。


③データ量の増加

  データ量が今までの3倍程度になるので、

  現像処理がどれだけ重くなるか心配。

  また、高速のメモリーカードを使用しないと、

  バッファフルになってからの、待ちが長くなりそう。

  また、長時間露出した際のノイズリダクション処理待ちが

  D300ではかなりかかったので、

  D800の高画素でどれくらいになるのか気になるところ。


D800の3600万画素って、かなりいいところを突いてるなぁと思う。

プロでもこれ以上の解像度を必要とする人は少ないと思うし、

これ以上になると、弊害の方が多くなりそう。

Canon 5DMarkII後継機は4500万画素積む機種が出るよう

な噂もありますが、4500万画素とすると、

F5.6が限界・・なんてこともありそう・・。

ソニー特許のような特効薬があればいいのですが、

風景写真でF5.6までしかなんて考えたくないし、

F5.6の高倍率ズームでは、開放しか使えない・・・なんてことも。

まあD800のF8でも狭く感じたりするんですけどね。

カメラがよくなったから、写真もよくなるわけではないし、

これまで以上に気を使わなければならないことが多くなりそうですが、

写真ライフが楽しくなりそう・・・・。