耳管開放症とは?
耳管は中耳と鼻の奥をつなぐ管で、普段は閉じていますが唾液や食べ物を飲み込むときに一時的に開き、これによって気圧の差で生じる耳づまり感が解消されます。
ところが、耳管開放症ではこの耳管が開いたままの状態になるため、耳閉感、自分の声や呼吸音が大きく聞こえる、低い音が聞こえずらい、ふわふわしためまい、耳痛、音程のズレ など、さまざまな症状をひき起こします。
以前、歌手の中島美嘉さんがこの病気にかかり話題になりました。
耳管開放症の患者さんは100万人程度と推定され、比較的多い疾患であるにもかかわらずしっかりした治療法が確立していません。
考えられる原因
耳管の機能には耳管周囲の脂肪や粘膜下組織などが作用するためダイエットなどで体重が減少すると発症することがあります。
また、疲労、運動、妊娠などで増悪するとも言われています。
最近の研究では、耳管は交感神経が優位のときは開き気味になり、副交感神経系が優位の時は閉じ気味になると考えられており、空腹時や水分が足りない時にコーヒーを飲むと交感神経が優位になり症状が悪化する傾向にあるそうです。
一方、頭を下げる体位をとった時、リラックスしている時、ガムを噛んでいる時、水をたくさん飲んだ時、食事をした時など副交感神経が優位になると考えられるときに、症状が改善することが多いと言われています。
診断・治療法
診断
まず顕微鏡で鼓膜が呼吸により動くのを観察する検査をおこないます。
聴力検査では低音部の難聴を示すこともありますが、ほとんどの場合は聴力に異常はありません。
最終的には耳管機能検査というもので判断しますが、ほとんどの場合は自覚症状と鼓膜が呼吸により動くことで診断は可能です。
主な治療法
- 生理食塩水を鼻に点鼻する方法
- 耳管通気という処置をする際に同時にルゴールを噴霧する方法
- 鼓膜にパッチを当てる方法
- 鼓膜チューブを留置する
また、食事をよく噛んで食べることも副交感神経を刺激するので良いとされているそうです。
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