東日本大震災から10年が経ちました。




亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈りし




被災された全ての皆様へ




心よりお見舞い申し上げます。




あの日は次女がお腹にいて




7歳の長女は学校に




2歳の長男と私は仙台の自宅にいました。




揺れが始まり、強さが増し




経験した事のない強さの揺れに




このままマンションが崩れてしまうと感じ




「これは大変な事が起こってしまった」




と感じながら




揺れが止まる事を必死に祈るように待ちました。




直後




比較的お天気の良かった空から




急に大粒の雪が降って来ました。




ライフラインが全て閉ざされ




マンションの方々と協力しながら




数日間過ごす中で




携帯の情報から




津波の事実を知り、愕然としました。




その後




チームの要請で




家族は選手たちと合流するよう指示されましたが




数日間仙台に残り




近所の方々と協力しながら過ごしました。




その後




とにかく合流するよう言われ




自分達で経路を調べながら




泣く泣く仙台を離れる決意をしました。




わが家の地域は




1週間で電気が来ましたので




あっという間に家族のようになった




近所の方々に




自宅の鍵を預けて




「どなたでも遠慮なく自由にお使い下さい」




とお伝えし




仙台を離れました。




その後、夫と合流し




すぐに家族で物資の調達に走り




お店の方々に




「買い占めではなく東北に送りたい」




と事情を説明し




皆様にご協力いただきながら




購入して送る




という作業を繰り返しました。




私は当時妊娠中で




3.11前は




「3人目はお腹の出方が早いなぁ」




と思っていたのですが




あっという間にぺったんこのお腹になり




当たり前にご飯が食べれる事が




どれほど有難い事なのかを痛感しました。




いまだに




よく遊びに行っていた沿岸部の




当時の映像を見ると




悔しさや腹立たしさ、悲しみ




色々な感情が浮かびます。




「できる事なら3.11前に戻って津波から全員逃れられたら」




と無茶な事を思う日もあります。




でも現実にそれは不可能なので




私にできる事は




「失われた尊い命の分も誠実に生きる事」




だと思っています。




色々な場面に出くわし




もし「きれいごとだ」と言われても




それでも




目の前の一人に誠実に真っ直ぐに生きる事。




矛盾や自身の間違いを巧みな言葉で肯定して




周りを傷つけない事。




自分が現実に見てもいない噂話にすぎない情報に




振り回されて




誰かを傷付ける事のないよう




真実を見抜く眼を持つ事。




一期一会でも




目の前の一人を大切にする事。




これらは全て




震災が起こる前からも




意識して生きて来ましたが




改めて




これが突然奪われた尊い命に対する




私なりの誠実な生き方だと感じ




日々こども達にも伝えております。




これからもあの時に起こった事に




真摯に向き合って生きていきたいと思います。




夫もインスタグラムでシェアしていましたが




いまだに見ると涙が出てしまうこちらのお写真。



私の大好きな




我が家の仙台の英語の先生と先生の旦那様です。




これは2012年。




津波で全てを失う被害に遭われた




当時、南三陸診療所にお勤めされていた方が




夫の為にこの大漁旗を作って下さり




私の弟を介して繋がり




甚大な被害を受けた女川町出身の




私の英語の先生ご夫妻が




この大漁旗を持参してシアトルに来て下さり




スタンドで掲げて下さいました。




夫は2010年にポスティングに失敗し




メジャー挑戦を諦めたのですが




2011年4月の開幕戦を勝利で飾ったあと




復興に立ち向かう方々より




「岩隈さんも諦めずにまたメジャーを目指して下さい!夢を実現させる姿を見せて下さい!」



というお声をいただき




「もうやめようか?」




と話していたメジャー挑戦を




再度目指す事に決めました。




そしてシアトルマリナーズに決まった2012年




先発のローテーションを勝ち取った直後に




この旗を掲げさせていただく事ができ




胸がいっぱいになりました。




今日という日を




亡くなられた大切な方を想い




奪われてしまったものを想い




さまざまな感情で過ごされる方が




たくさんいらっしゃるかと思います。




そんな中でも




ほんのひとときでも心穏やかに過ごせますよう




願っております。