今回は特に
様々なジャンルをご紹介したいと思いました
でも…
何でも良いわけではありません
私はコンテンポラリーダンスの中にある
「美」を感じるのが好きです
「表現したい!」という気持ちが先走るのではなく
研鑽を重ね、訓練された美しい肉体をもって
舞台にあがってこそ「表現」だと思うのです
そこで振付家の青木尚哉さんとじっくりと話し合い
洗練されたダンサーたちで作品を創っていこう、ということになりました
美しいダンサーたちが踊る
コンテンポラリーダンス
期待が膨らみました
『互イニ素』は再演とは言え
80%手を加え
〜ガラバージョン〜
として生まれ変わりました
尚哉さんは
「リハーサルしてるんじゃない
クリエイトしているんだよ」
とその違いをじっくりと説明しながら
ダンサーの一人ひとりが
与えられるのではなく
自ら生み出していく方向へと
導いていきました
この経験はダンサーたちにとっても
大変貴重な作業だったと思います
青木尚哉さん振付『互イニ素』
ドラムとピアノの生演奏と相まって
実に美しく洗練された舞台となりました
私は何度か
リハーサル前のクラスを指導しましたが
このままクラシック作品のリハが出来るのでは?というレベルの高さでした
本当に良い作品に仕上がったと思います
そして
名倉加代子さん振付の『La lune』
〜わがままな月〜
(舞台写真:スタッフテス/中岡良敬さん)
名倉先生も「バレエをきちんと踊れる人にジャズを踊ってもらいたい」とおっしゃっているそうで
高岸直樹くんはもちろん
鳥居かほりさんも本当に美しいラインでした
名倉先生には一度だけお目にかかりましたが
「バレエを観に来るお客様にジャズを観ていただけるなんて!」
と大変喜んでくださり
今回のために新作を振り付けてくださいましたが
様々な事情を汲んでくださり
ご理解ご協力をいただきました
本当にありがとうございました
そして
遠藤康行さん振付『Omni-Bus』
オムニビュス
オムニバス
乗合バス…
偶然乗り合わせた男女が
様々な関係性を創っていく
それは必ずしも
恋愛関係ではなく
同志だったり
ライバルだったり
夫婦だったり???
30年間舞台で踊ってきた私と
同世代の遠藤康行さんだからこそ
ダンスに必要な音楽すら最小限にし
シンプルな中に在る何かを感じていただきたく
音のない中で踊りが始まる…という
独特の世界を生み出せたと思います
最後、2人はどうなったのか?
観る方の自由に想像していただければと思いました
コンテンポラリーダンスもジャズも
バレエとは違うもの…ということではなく
舞台芸術としては同じものです
バレエを愛してくださるお客様にも
バレエ以外のものも観ていただきたいな…と
思いました
コンテンポラリーには
何にも縛られない
自由があります
その力強さを感じてくださったら嬉しいです
『互いに素』『La lune』『Omni-Bus』
お好みはありましたか?
自由に選んでいただけたらと思います