2001年9月11日

私は東京バレエ団の海外公演ツアーで、ブラジルに到着したばかりで

ホテルのロビーに居ました。



ロビーのテレビに、繰り返し映し出されていたあの映像を

不謹慎ながらも、何かの映画のシーンのように

でも、どこかで胸がざわざわする思いで見つめていたことを

今でもはっきりと覚えています。

多くの方が悲しみにくれ…月日は流れて行きました。



私の、小学校時代に友人がこの日に生命を落としたことを

数年後に聞いた時は、ショックという言葉を通り越し

しばらくは言葉が出ませんでした。。。


その時、「ニューヨークか…。行くことがあるだろうか」と

行きたい気持ちと、私のの中では「アメリカ」という国は非常に遠く

イメージ出来ませんでしたが

同級生が32歳という若さで、命を奪われてしまったその悔しさは…

今、命のある私が、引き継いで生きても良いのではないか?

と、感じていました。



彼の名前は、住山陽一くん

家庭を持たれ、杉山陽一さん…となっていましたが

小学生の頃から、優しくてイヤミの全くない、

だれからも嫌われることのない、素敵な人でした。



今回、ニューヨーク行きが決まった時、

言葉にはしませんでしたが、住山くんに会いに行こうと、決めていました。


雨がやみ、青空が見え始めました。



あえて、どこに書いてあるのかは調べず。
犠牲者方々のお名前、1つひとつ目でおいながら
彼の名前を探して歩きました。



「YOICHI SUMIYAMA SUGIYAMA」と書かれた名前を見つけ…
文字を指でなぞり、こみ上げるものをこらえながら祈りました。



雨上がりの晴れ間と心地よい風が
住山くんからの「来てくれてありがとう」と
「井脇、頑張れよな」と言ってくれているようで…
会いに行ったのに、励まされた気分で…たまらなかった。。。。。。。



この旅の、密やかで大きな願いが叶った瞬間でした。

またニューヨークに来ることがあったら、必ず会いに行こうと思っています。