おじさんの腹立ち日記 <その152>   令和元年 5月12日(日)
 
女性天皇の問題
 
◇ 皇位が継承された
430日の「退位礼正殿の儀」と51日の剣璽等承継の儀でつつがなく皇位は継承され、続いて行われた「即位後朝見の儀」で「令和」の時代が始まった。4日に行われた一般参賀ではなんと14万人もの人が祝意を表した。平成天皇が20168月にビデオメッセージで退位の意向を示してから約29か月、退位特例法による一代限りの退位と譲位が成った。退位と譲位、それに伴う改元をゴールデンウィークに設定したというのは結果論になるかもしれないが大正解であったと思う。
 
NHKは朝の八時から年末の「ゆく年くる年」をもじつたような「ゆく時代くる時代」を夜中の零時過ぎまで放送した。年号が改まるカウントダウンで「ハッピーニュー・イャー」と絶叫している姿には驚かされたが、「ゆく時代くる時代」も「ハッピー・ニュー・イャー」も新しい時代に対する期待の現れと見るのは表面的で、表紙が変われば中身も変わると思い信じ込んでいる日本人特有の<雰囲気に流される>精神の現れのように思ったりした。
退位礼正殿の儀を終えられて退室する平成天皇が、入り口の辺りで立ち止まり振り返って会釈をされたお姿がこの一連の儀式の中で最も深く印象に残った。
 
立憲民主党の枝野代表が「女性天皇についての議論を始めるべきだ。国民の七割は女性天皇を認めている」という発言があったことをネットのニュースで見た。また「週刊朝日」はさっそく“愛子天皇が急浮上”という見出しを付けて売り出した。本当に国民の理解がそこまで達しているのかという大きな不安がある。
今提起されている「女性天皇」を認めるか認めないかの議論を突き詰めて考えると、具体的に今上天皇の長女の愛子さまに関わる問題と限定することができる。
愛子さまを次代の天皇とするには、我ら自身が考えなくてはならないふたつの問題がある。
 
◇ ふたつの問題
私たちは秋篠宮家の長女眞子さまと今はニューヨークに留学中の小室さんの婚約がスムーズに進行しないという現状を知っている。小室さん自身に問題があるのではなく御母堂の金銭的スキャンダルが「よく見えない」ことが一番の問題になっている。お相手本人の問題ではなく家族の問題が婚約の成立を阻害しているという現実が厳然としてここにある。
もし、愛子天皇の婚約者として発表されたお相手に小室さんのような問題が生起した場合どうするのか。何事もなく結婚が成ったとして、その後に夫君の実家や親族に何らかの問題が発生した場合どうするのか。私たちは国民統合の象徴の夫君として尊崇の対象として見ることができるだろうか、という問題だ。
もちろん結婚の候補者になる男性には何重ものチェックを経るのだろうが、スキャンダルの多くは「火のないところに煙をたたせる」ことで成り立つものだから完全に防ぎきることはできないように思う。
こうしたことは、愛子さまに別のご心労をおかけすることになるのではないだろうか。
 
もうひとつ。何事もなく女性天皇として夫君を得られ幸せな家庭の営みのなかでもし男子が誕生した場合、その男子が次の天皇位に就くのを認めるのか、という問題だ。天皇家とは縁もゆかりもない男子が天皇に践祚するなどあってはならないこしとだし、もしそうなつたとしたらその時点で天皇の歴史は終焉するように思う。天皇家という血筋の系統も尊崇の対象であることは間違いのないことで、皇室の男系の血筋を引かない男子が愛子さまのご子息という理由だけでは国民統合の象徴にはなり得るはずもない。
愛子天皇と民間人の夫君の間に生まれた子供は天皇位に就くことはできない、と法律で定めることは簡単なことだが、それはそれで愛子さまに別なご心労をおかけすることになる。
また、愛子天皇の次の天皇に秋篠宮悠仁さまが践祚されるとしたら、そもそも的に愛子天皇とは何であったのか、という議論に戻ってしまうことになる。
 
いや、そのような様々な問題が派生することが想定できるのだから愛子さまは生涯独身で天皇としていてもらいたい、などというのは人権を無視した暴論以外の何ものでもない。このふたつの問題に触れないで、具体的な解決策を提示しないで愛子天皇などと言い出すやからは余ほど想像力が足りないか者か、「男女平等」などというひとつの価値観を万能のものと信じている愚か者か、天皇の存在そのものを認めず将来は皇室を廃止することを党是としている共産党の片棒を担いている者かそのいずれかだ。よくよく注意して見なければ、と思う
国民の七割は女性天皇を認めているというが、国民の七割は女性天皇の持つ意味を理解していない、と見るべきではないだろうか。
先に揚げた愛子天皇の持つふたつの問題点を国民の理解が進むよう努めるのは、誰の責任なのだろうか。
 
◇ 心配していない
今上天皇は59歳、平成天皇の御年まで考えても令和は長くても30年あまり、その間にちょうど壮年期になられる悠仁さまの立太子の礼が執り行われることになるだろう。
これから二十年、医学が進歩して男女の産み分け技術がさらに確立されていくものと思われる。今から十年前、秋篠宮妃殿下が相当の覚悟を持って臨まれた妊娠と出産の頃より格段に進歩しているはずだ。
だから私はそれほど心配していない。
「皇室典範特例法」により皇位継承の順は定まっている。悠仁さまには皇室の最も若いそして唯一の男子であるという自覚が確固たるものに変わっていくお年頃になりつつある。我ら国民にとしては悠仁さまのこれからの成長を見守ることが最善ではないかと思っている。
浮ついた言説に惑わされることなくとにかく静かに見守ることだ。
私は祈る。静かに祈り続ける。