「つぼみ保育園」支援 半年を経過して | IVY 震災支援ブログ

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国際協力NGO IVYの震災支援活動についてお知らせしています。


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気仙沼市新生保育園(震災時職員15名)の職員有志7名が、
父兄の希望もあり気仙沼市田中前のアパートの一室を借り
「つぼみ保育園」として無給で保育活動を再開しました。

IVYとして今年4月から職員5名分の人件費一部支援、
及び臨時職員1名の人件費を支援しています。

IVY石巻事務所スタッフ 末永のレポートです。


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今年度から運営資金として見込んでいた気仙沼市からの
「保育ママ(家庭的保育支援制度)」が気仙沼市議会の決議も遅れ、
支給対象が秋季以降とずれた事もあり、
特に上半期における人件費支援は園の運営にかなりの効果がありました。
また、人件費の一部支援を行う事により職員が社会保険に加入することが可能となり
福利厚生も充実し職員は安心して日々保育活動をされています。 

6月からは上記「保育ママ」助成の基準をクリアするために
新しい保育スペースへと引っ越しを行ってより広い施設での保育を行っております。
以前は木造のアパートでの保育でしたが、
現在は鉄筋コンクリート(防音)での保育活動で
ピアノの演奏やそれに合わせての元気な園児たちの合唱が毎日聞こえております。

また、お預けになられる家族にも安心して頂けるように、
IVYは在籍園児の内科検診料(春・秋年2回)も支援しております。

IVY支援のひとつである「経理・労務管理」の担当も
園長先生ではご負担が大きいと園の判断で、臨時パートタイム勤務ですが
職員を1名採用し業務に当たっています。

雇用創出効果で申しますと、今春、大学を卒業した方を研修生として採用しており
3ヶ月の試用期間を終え現在は正式な職員として活躍されています。 

保育活動開始当初は、所謂「一時預かり」をご利用される父兄は
求職活動の為にハローワークや面接、職業訓練等に通われるために利用されていましたが
現在はお母さん方の最就職先も見つかり、そのまま「月極め」で預けておられる様子で
現在は16名(9月末現在)の園児が在籍しています。

お預けになる家族にとっては勤務先への通り道や
近所の商店・会社へ勤めるためと利用される利便性から
地域に密接した活動場所になっております。

現在「つぼみ保育園」の保育士さん達は給料をもらい、
社会保険の加入等福利厚生の充実や、何より毎日、
園児たちの笑顔によって震災前の保育活動への取り組み方に戻りつつあります。
保育士さんたちが安心して頂ける事がお預けになる家族も
安心して預けられる良い循環であると思われます。

更には先述、気仙沼市の保育活動助成金の交付も決定し
少しずつではありますが確実に自立経営へと向かっています。
気仙沼市では被災した新生保育園が平成26年春からの園再開を目途に
用地取得等準備を始めておりますが
解雇された「つぼみ保育園」の職員は今後も独立した園運営を目指す事を
職員一致の目標とされています。

保育と運営で園長先生にはかなりのご負担かと思いますが
IVYとして金銭の支援のみでなく相談相手や助言を通し
信頼関係を築き上げてきております。

保育士さんたちもIVY震災支援担当と雑談を通し
表情も明るくなってきた事が何より嬉しいことです。
今後も大きな目標に向かい助言や情報提供を通し
健全な園の運営の為に支援が必要であると思います。