IVYでは、昨年3月11日に発生した東日本大震災によって起きた原発事故によって
山形市に避難してきている福島県の子どもたちが入れる保育所を、
今年9月にオープンさせていただくことになりました。
福島県ではむずかしい外遊びや自然にふれられる保育内容や、
からだにやさしいお昼ごはん、おやつを提供できる保育園をめざし、
保育士経験のある福島県のお母さんたち5人が中心となって奮闘しています。
保育園をつくることで、お母さんたちが働いたり、休んだりする時間を作れるようになり、
山形での避難生活が自立・安定したものになることを願っています。
事業の背景
福島県に隣接する山形県には、昨年3月11日の福島第1原子力発電所事故により
県外避難者(6万2038人)の8割にあたる5100世帯が避難されています。
またIVYの地元山形市には、そのうち1400世帯が暮らしておられ、
全国の市町村で最も多い数となっています。
その多くが福島市や郡山市等「中通り」からの自主避難者で、
小学生以下の子どもを連れた母と子の世帯が半数以上を占めます。
その理由は、これらの地域もセシウム値が高いにも関わらず、
警戒区域に比べ除染の優先順位が低く、作業が遅れているという事情があります。
毎日新聞6月5日朝刊によると、福島市では昨年10月から除染作業が始まっていますが、
終了予定は4年後の平成28年度で、作業が終わっている地域はまだ一部だそうです。
子どもは、外で遊んだり運動したりする時間数が多く、
放射濃度の高い地表面に近いためセシウムを吸い込みやすいと言われています。
そのため、低年齢の子どもを持つお母さんや、妊婦、近い将来出産を予定している女性が、
健康被害を心配し、夫や家族と離れ、放射濃度の低い地域へ避難しておられます。
避難生活もすでに1年以上となり、長期化しているため、
二重生活による経済的な負担の重さと未就学児の保育問題、
家族間の亀裂等にまで発展しているケースも少なくありません。
(行政からの補助は家賃補助の6万円のみ)
未就学児の保育問題については、避難先の山形市が
震災以前から元々「認可保育所」の待機児童数が多い自治体であり、
5月末現在、97人となっています。
「認可外保育所」の場合は、保育料が給食費と合わせて月約5万円とかなり高額で、
二重生活で出費がかさんでいる上、複数の幼児を抱える世帯には
さらに払えない料金設定となっています。
そのため、幼稚園に行く年齢になっても通わせられなかったり、
子どもを預かってもらえるところがない
→ お母さんが仕事につけない、経済的に自立できない
→ 二重生活で、経済的にひっ迫する。
また、子育ての負担がお母さんに集中し、育児に疲れ、健康被害から逃れるはずが、
かえって親も子もストレス過多に陥っているという現状が生まれています。
これらの課題を受け、山形県内では
福島からの避難者対象の保育支援も活発化してきているのですが、
一時預かりにとどまっている現状があります。
フルタイムで働きたいお母さんにとっては、
朝から夕方まで預かってくれる保育が必須であることから、困っているお母さんたちが立ち上がり、
すでに被災地宮城県気仙沼市で2か所の保育所支援を行っているIVYに協力を申し出て、
ともに保育所をつくることになりました。
期間
第1フェイズ: 2012年7月1日~2013年3月31日
第2フェイズ: 2013年4月1日~2014年3月31日
第3フェイズ: 2014年4月1日~2015年3月31日
ゴール
福島県からの避難している母子がともに山形市での避難生活を
長期安定的に健やかに送れるようになる。
目的
・保育所開設を通じて、母親の就労と経済的自立、社会参加を促進する
・避難している幼児に良質な保育サービスを提供する
・精神的に負担の大きい避難者の母親のストレスを緩和する
・子どもを預ける母親たちが、カウンセリングを通して避難者間の関係を築き、
有益な情報の共有や具体的活動につなげる。
募集内容
福島のお母さんたちで作る、福島の子どもたちと
働くお母さんのための保育園です!
開園予定日: 9月初旬
場所: 山形市
対象: 福島県から避難しておられるお子様
対象年齢: 生後6か月~就学年齢前
募集定員: 30名
保育時間: 朝8時~夕方6時(土日祝日、年末年始はお休み)
保育料金: 1か月 0~2歳 25,000円 3~6歳 23,000円
*兄弟がいる場合は2人目から15,000円
*昼食代、おやつ代、保険料金が含まれています。
*一時預かりもあります。
昼食: 保育園で用意します。
保険: 賠償責任保険、傷害保険に加入します。
あいびぃ保育園 入園案内より
「山形へ避難して、たくさんの笑顔をとりもどしました。
まだまだ食べ物のこと、日常生活のこと、不安はのこりますが、
できる限りのことをして、少しでも気にせず、
のびのび生活できる環境があったらと願い、立ち上げた保育園です。」
連携・協力団体・企業
・株式会社 ユニクロ
・株式会社 パレス平安
・Direct Relief International
・International Medical Corps
支援金の募集
新年度事業に合わせ、新たな支援金を募集いたします。
寄附金は税金の寄附金控除の対象となります。
<募金の使途について>
・保育所の改装費用、家具、備品、家賃、補償金、光熱費、保育士さんの人件費など
・その他2割を上限として、共通管理費にも使用させてください。
郵便振替 *「福島」 と必ず書いてください。
加入者名:IVY 郵便振替:02290-2-85967
銀行振込
山形銀行 寿町支店 普通預金 512826
認定NPO法人 IVY 代表理事 枝松直樹
ゆうちょ銀行 店名:八五八 店番:858
普通預金 0839540
*銀行振込の場合は、振込者の住所が通知されません。
領収書発行ご希望の方は、お振込後にお名前(領収書の宛先)とご住所を
メールか電話で事務局まで必ずお知らせください。