事務局となっておりますIVYも、総会の時期を迎え、決算や資料づくり、
お役所への書類提出等等、震災支援との二足のわらじで、ご報告が遅れてしまいました。
ようやく混乱のピークも過ぎましたので報告させていただきます。
会計報告も今月末を目標に、現在パソコンへの入力作業を急いでおります。
まず2010年度3月度の会計報告を下記の5の項に掲載させていただきました。
1.センターの大きな動き
・4月12日開始の被災者雇用創出プロジェクト「キャッシュ・フォー・ワーク」 の
第1フェイズが5月31日に終了しました。
資金難から、継続についてご心配をおかけしましたが、
8月までの3カ月分の資金の目途が立ちまして、引き続き継続中です。
温かいご支援、本当にありがとうございました!
・この継続に伴い、事業計画案の改訂を行い、来年3月までの事業計画書と予算書も改訂しました。
(* 詳細は2の項で)
・4月末~5月連休にかけ、一次避難所から二次避難所・仮設住宅へ
引っ越しのピークがありました。
そのため、センターの物資配達も一段落との予想でしたが、
連休明けには元の一次避難所に戻られるという現象も起き、
閉鎖となる避難所はありませんでした。
また、連休明けから支援団体の数が激減。
そのため、M町、O町各1か所から新たに支援要請があり、
物資配達プロジェクトは連休以降も継続しております。
(O町7か所、M町2か所、I市O地区1 か所合計10か所270人)
・5月28日(土)に初めての震災支援活動報告会が山形市で行われ、
物資配達に携わったボランティアや、
「キャッシュ・フォー・ワーク プロジェクト」で現在コーディネーターを務めている4名が
気仙沼と石巻から参加し、集まった支援者の方々に報告しました。
・IVYは6月9日付で国税庁の震災指定寄付金の認定NPO法人になりました。
(* 詳細は7の2)の項をご参照ください)
・石巻市の事務所を蛇田から大街道西に引っ越しました。
・「地球の木」が6月4日からK市の避難所での炊き出し支援を開始しました。
2.キャッシュ・フォー・ワーク プロジェクト
1) 第1フェイズの評価
・4月12日開始から5月31日までの50日間、
今回の震災で失業された56人(石巻市 25名、気仙沼市31名)を雇用することができました。
年代は3月に高校を卒業した若者から50代後半まで幅がありましたが、
20代~40代前半の特に働き盛り層が大半を占め、
特にこの年代に適したプロジェクトだということがわかりました。
一方、男女比は11対3となっており、今後女性の雇用創出の必要性も感じています。
・支払った賃金は石巻で一日3000円~4000円、気仙沼で6000円。
源泉徴収すると手取りは2700円~5400円で、それほど多い金額ではありません。
当初4時間労働だった石巻では、手取り額が2700円と少額だったため、
「もう少し収入がほしい」という声が聞かれ、時給を800円、
1日の労働時間を5時間に延長する措置が4月29日から取られました。
・「日払い」は大変好評で、これは6月も継続されています。
・働いている人たちからは、
「避難所でぼんやりしているよりは身体を動かしていた方が気晴らしになる」
「わずかでもつなぎの生活資金に役立ってうれしい」
「町の復興に少しでも役立ってうれしい」
「家主さんにありがとうと言われて、やりがいを感じている」
「何もかも失ったけれど、この仕事を始めることで区切りをつけられ、
次のステップに進もうという前向きな気持ちになれた」
「仲間ができてうれしい」 等の感想が寄せられ、彼ら自身がこのプロジェクトを肯定的に捉え、
収入面以外にもやりがいを感じている状況がうかがえます。
・実際の作業完了件数は、石巻55件、気仙沼27件 計82件に上りました。
・当初は未経験者ばかりでしたが、50日以上となった人もいて、
技術力もプロに近いレベルになっています。
スタート時に両チームとも建設会社や工務店の
プロの指導を得られたことが大きいようです。
・作業の質ですが、床板はがし、ヘドロのかき出し、洗浄、消毒など、
チームで一環して作業が行われおり、丁寧な仕上がりに家主さんからも好評を得ています。
家主さんの声
「手伝ってくれる家族が地元に住んでいないので途方に暮れていました。
地元の若い方々に手伝っていただけて本当に感謝しています」等。
以上のような結果から、このプロジェクトは、被災地において失業者にとっても
自宅を被災した高齢者にとっても意義のある事業だとの結論に至りました。
また 皆様からの支援金により3か月分の資金が確保できたことから8月末までの継続が決定しました。



2) 実施期間
・第1フェーズ 2011年4月12日(火)~5月31日(火) (終了)
・第2フェーズ 2011年6月1日(水)~8月31日(水) 実施中
・第3フェーズ 2011年9月1日(木)~12月31日(土)(調整中)
・第4フェーズ 2012年1月1日(日)~3月31日(土)(調整中)
3) プロジェクト目標(ゴール)
被災で職を失った人々の、再就職までの職場の提供と地元での再就職を支援する。
4)成果を計る指標(目安)
プロジェクト終了までに、雇用した人の『半数以上』が再就職できている。
5) 長期化に伴う、待遇面、体制の改善
・採用後はコーディネーターが応募者に適したグループに配属。
1週間の試用期間後、契約書締結(フェイズごとに更新)。
・社会保険加入希望者には加入手続きを実施(本人とIVYで費用を折半)
・勤続1カ月以上で雇用保険加入手続き(法令により強制加入となっています)
・定期健康診断、40歳以上の破傷風の予防接種の実施
・石巻市、気仙沼市に現地事務所を開設
・各チーム、常勤の会計担当者を公募の上、採用する
6) 活動報告
[チーム石巻]
1) 4月12日~30日
稼働日:16日
人数:12日時点 4人→30日時点 8人
* コーディネーター2名除く
時間給:750円、800円(29日から値上げ)
支払給与合計額 395,000円
2) 5月1日~31日
稼働日:25日
人数:1日時点8人→31日時点13人
* コーディネーター2名除く
時間給:800円
支払給与合計額 1,152,800円
作業完了件数:55件(4~5月合計)
3) 6月1日~13日
稼働日:11日
人数:1日時点13人→13日時点14人
* コーディネーター2名除く
時間給:800円
支払給与合計額 613,600円
・6月から試験的に避難所への物資配達もチーム石巻に任せることにしました。
女性2名が担当で、当初は生鮮食料品だけお願いしていましたが、
今では生活用品や衣類の受注から、調達、配達まで一手に担ってくれています。
・当初からコーディネーターと務めてくれたHさんが
元の職場(接骨院)の再開に伴い、6月15日で退職されました。
代わりに、みんなの支持を受けて、サブのSさんがコーディネーターに選ばれました。
最初は自分には自信がないと固辞していたSさんですが、交代して1週間。
徐々にコーディネーター役が板について きました。
[チーム気仙沼]
1) 4月22日~30日
稼働日: 9日
人数: 22日時点6人→30日時点11人
時間給: 750円
支払給与合計額 450,000円
作業件数:6件
2) 5月1日~31日
稼働日:30日
人数:1日時点13人→31日時点23人
時間給:750円
支払給与合計額 3,510,000円
作業件数:21件
3) 6月1日~17日
稼働日:17日
人数:1日時点20人→17日時点23人
時間給:750円
支払給与合計額 1,786,125円
作業件数:10件
・常勤のコーディネーター1名と、
煩雑になってきた会計作業を担当してもらうスタッフ1名を新たに雇用。
非常勤の2名のコーディネーターと合わせて4名によ るマネージメントチームができました。
・ラッシュさんの品川オフィスで6月13、14日に開催された
『ハッピーシェア発表会』にチーム気仙沼4名が参加。
ブースを設けて、招待客の方々に活動を報告する他、気仙沼、石巻の名産品を販売しました。
・ブログ「がんばれ気仙沼 」を始めました。
・チームメンバーの発案で、
6月1日より仮設住宅の高齢者宅にお弁当を届ける活動を行っています。

7) その他
・「キャッシュ・フォー・ワーク プロジェクト」が朝日新聞5月16日朝刊に掲載されました。
また英語記事でもネット配信されたお陰で、
日本はもとよりアメ リカ、ベトナム、カンボジア、シンガポール等
世界中の方から約3000万円のご支援が寄せられました。
反響の大きさに事務局も雇用されている人たちも大変感激しています。
朝日新聞5月16日朝刊 英語記事
・この間、海外も含めドナーの方々の現地視察が続いており、
事務局も資金調達が最優先課題ととらえ、対応に多くのエネルギーと時間を傾けております。

3.JIM-NET(ジムネット)の活動
涌谷町での在宅介護のお年寄り支援
・センターの一員として活動されているJIM-NETさんは、
現在、石巻市涌谷町に看護士1名を派遣し、
在宅介護の必要なお年寄りの支援を行っています。
・今回の震災では地域の介護システムも大きなダメージを受け、
介護の必要なお年寄りが今までのようなサービスを受けられなくなりました。
そこで、地区の健康センターに、JIM-NETを始め、鳥取県、PCATが連携。
医師の往診から入院までを連携して支援しています。
お風呂支援
・石巻小学校の近くの永巌寺で「不動の湯」、
湊小学校で「希望の湯」を開設しています。詳しくはコチラ
健康診断
・6月7日と9日、諏訪中央病院派遣の医師から、
IVYのキャッシュ・フォー・ワー クプロジェクトで働く人たちも健康診断をしていただきました。
結果、全体的に血圧がやや高めで、特に避難所から通っている人には
自宅と違い休息が取れないので疲労の蓄積が見られるとの診断でした。
が、特に呼吸器や皮膚等に特に問題のある人はいなかったので少し安心しました。
また40歳以上の人は破傷風の予防接種を受けるよう、アドバイスを受け、
今週にも地元の病院で接種することになっています。
4.わたのはプロジェクト
・石巻市渡波小学校で、IVY会員のSさんと青年海外協力隊OBOGによるお昼御飯の炊き出しや
子どもたちへのワークショップ「わたのはスマイル」等の事業が行われています。
・炊き出しは、連休明けから、こちらもキャッシュ・フォー・ワークの仕組みを取り入れ、
8人が1日5時間従事し、300人分の昼ご飯の炊き出しを行っています。
8月末まで実施の予定です。
・6月4日(土)には、「地球の木」「IVYチーム気仙沼」との合同で、
気仙沼市鹿折小学校避難所で約400食の炊き出しを行いました。
メニューは、ビーフン、 大根スープ、デザート(地球の木)。
気仙沼ホルモン(チーム気仙沼)。タケノ コごはん、タケノコ汁(わたのは)と多彩で、
大変喜んでいただけたそうです!
5.会計報告 【2011年3月11日~3月31日】
1) 収入の部
寄付金 9,217,911円
合計 9,217,911円
*寄付者・社・団体数 219
2) 支出の部
物資配達プロジェクト 2,431,022円
わたのはプロジェクト 74,088円
ネットワーク団体支援 205,270円
事務局管理費 480,133円
合計 3,190,513円
3) 収支差額(2011年度への繰越金)
6,027,398円
6.その他
1) 『ガイアの夜明け』にキャッシュ・フォー・ワークが取り上げられました。
日経スペシャル ガイアの夜明けシリーズ 復興への道
第⑧弾 働く希望を! ~"震災失業"を突破する働き方~
放送予定日は以下の通りです。
●テレビ東京系列 6月21日(火)22:00~(放送日終了-申し訳ありません)
●BSデジタル放送 6月24日(金)21:00~ (BS JAPAN)
2) 5月2日に国会で復興のための補正予算が成立し、
政府広報として「事業再建 ハンドブック」「生活再建ハンドブック」 が
5月12日付で発行されました。
・センターの支援対象地域には被災された漁業関係者も少なくありません。
このハンドブックに書かれている補助金では、漁協単位であったり、共同化が条件で、
「小規模、個人事業主には使いにくい」との声も聞かれています。
・折しも「漁業支援」というテーマで第15回被災者支援4者連絡会議が
宮城県庁で開かれましたので、センターからIVYとパルシック4名が出席し、
水産庁の職員の方に避難所で聞いた人々の声を伝えました。
また漁業関連情報にも注目してい きたいと思っております。
3) IVYは6月9日付で国税庁の震災指定寄付金の認定NPO法人になりました。
6月9日以降、IVY・東北広域震災NGOセンターに対して入金される寄付金は
下記の 税制優遇の対象になりました。
● 個人寄付の場合: 税額控除 寄付金の50%
*(寄付金 - 2000円) x (国税40% + 地方税10%)
地方税は寄付者の住所の条例によります。
● 法人寄付の場合: 全額損金算入 (無条件)
4) 日テレ news every. に取り上げられました。
こちら で動画をご覧いただけます。
活動支援金の募集
寄附金は税金の寄附金控除の対象となります。
6月20日までの活動支援金合計 32,060,048円
募金の使途について
・キャッシュ・フォー・プロジェクトで雇用された方々への給料、
車両借上げ代、燃料代、工具・土嚢袋や石灰消毒液等の消耗品費、
法定福利費、予防接種、 現地事務所家賃、光熱費等
・リクエストのあった支援物資の調達費、炊き出しの食材費、
調理環境整備費、 燃料費、道具のレンタル代、車の燃料代等
・その他2割を上限として、管理費として、事務局の人件費(震災支援活動に限る)、
現地までのガソリン代、通信費、印刷費、文房具代等にも使用させてくだ さい。
震災支援専用口座ができました!
*以前と変更しておりますので、ご注意ください。
1) 郵便振替
加入者名:国際ボランティアセンター山形
郵便振替:02420-6-4257
2) 銀行振込
山形銀行 寿町支店 普通預金 512087
特定非営利 活動法人 国際ボランティアセンター山形 代表理事 枝松直樹
*銀行振込の場合はメールか電話で事務局まで必ずご一報ください。
3)海外からのご寄付は事務局までお問合せください。
Just Giving というWebの寄付サイトでも
「キャッシュ・フォー・ワーク」プロ ジェクトへのクレジットカードによる
ご寄付ができるようになりました。
東北広域震災NGOセンターは、以下の団体・企業・グループの
ゆるやかなネットワークで、人・情報・物資・資金を共有して活動しています。(50音順)
事務局団体
・認定NPO法人 国際ボランティアセンター山形(IVY)
連携・協力団体・企業 *6月21日現在(50音順)
・(特活)アーユス
・アイスクリームデザイン
・(株)アイリスオーヤマ&ダイシン本部
・International Medical Coop(IMC/アメリカ)
・International Orthodox Christian Charities(IOCC/アメリカ)
・(特活)WE21ジャパン
・(株)NTTPCコミュニケーションズ
・(特活)えひめグローバルネットワーク
・小国ガスエネルギー株式会社
・小国フォルケフォイスコーレ
・海應院(長野県小諸市)
・(株)カタログハウス
・(有)ガレージプラスワン
・(特活)開発教育協会
・元気市場タカハシ
・(特活) 国際協力NGOセンター
・コペルニク
・コモンセンス、ペニーハーベスト(アメリカ)
・(株)佐藤松兵衛商店(乃し梅本舗 佐藤屋)
・財務省東北財務局
・(株)蔵王ミート
・蔵王温泉観光協会青年部
・(特活)シェア=国際保健協力市民の会
・しらたか ノラの会
・JICA二本松
・(株)ジョイン
・庄内シルク焼きそば研究会
・シンク ジ アース
・公益社団法人セカンドハンド
・青年海外協力隊OBOG有志
・仙台市
・仙南中央病院(医療法人本多友愛会)
・(株)ソフトバンク
・株式会社田中青果
・(特活) 地球市民の会
・(特活) 地球の木
・TIC ネットワーク(東北国際協力ネットワーク)
・テラ サカモト ファンデーション(アメリカ)
・天童西ロータリークラブ
・東日運送株式会社
・東部開発有限会社(小国町)
・(財)とよなか国際交流協会
・名取市
・(特活) 日本国際ボランティアセンター
・日本イラク医療支援ネットワーク[JIM-NET]
・ネットワーク『地球村』
・(特活)パルシック
・(株)パレス平安
・VAC Co.LTD(ベトナム)
・Be UP ビアップ
・東日本大震災市民支援ネットワーク・札幌「むすびば」
・日比谷花壇株式会社
・地域・国際貢献サークル「フォーラ夢」
・(株)平安典礼
・(特活) ホープ・インターナショナル開発機構
・(株)ボブ アカオニデザイン
・松田建設株式会社
・マツダレンタカー山形店
・一般財団法人 民際センター
・向井建設株式会社東北支店
・(株)ムサシ
・モンテディオ山形サポーター有志
・(株)モンベル(アウトドア義援隊)
・山形県小国町グループ
・山形県上山市役所
・山形県山辺町グループ
・山形理容組合東村山地区青年部
・山寺奥之院、金乗院
・矢本東小学校
・(株)ユニクロ
・LOVE FOR NIPPON
・(株)ラッシュ ジャパン
・ルーテル教会救援
*万が一、ご協力いただきました団体様、企業様で、掲載漏れ、表記ミス等ございましたら、
至急事務局までお知らせください。