下名の口から出る筈の言葉は、全て何かの影響を受けている。


個の主張や発言が自由化した今、自分に都合のいい意見だけを選択できる。良くも悪くも。


下名は性的少数者だが、数える程度には差別的な目を向けられた事がある。

法律や、社会的地位、世間の目など、そうでなければしなかった苦労や悩みなどもそこそこあった過去もある。


大得意のインターネットで調べて、沢山の意見を見てきたが、最近の傾向に気付いた。


性的少数者では無い人の、率直な意見。
気持ち悪い、見ていて不快、生産性がない


それに対する、性的少数者では無い人の、性的少数者を擁護する意見。
多種多様を受け入れるべき、差別だ、日本は〜〜

そこに当事者がいたりいなかったり。



性的少数者にも勿論それぞれに意見がある。
パートナーシップ制度等の導入を望んだり、偏見や差別を無くそうとしたり、

ほっといてもらえれば自由にしていたり。


この一連の流れに、下名は何の考えも示さないし声も上げない。




そして、性的少数者を友人に持つという性的少数者では無い人の、

「当たり前だと思っているから、特に気にしていない。」



この発言に、下名は突然声を上げる。

当たり前だと思っているのならば、わざわざそんな風には言わない。



こうして下名も大きな波に、影響受けた言葉を吐いては自分を保っていく。