こんにちは、株式会社アイビア代表の杉浦です。


今日は、僕が配信しているレース情報のメルマガをこちらで紹介したいと思います。

長くなるので、バイクレースに興味ない方はスルーして下さい。

先日書いたメルマガの内容となります。

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菅生サーキットでは、沢山の応援ありがとうございました!

今回もスタッフ目線からレースを振り返りたいと思います。

長くなりますのでコーヒーでも飲みながら

お付き合いして頂けると嬉しいです。





先日の菅生サーキットは波乱の一日でした。

土曜日、ST600のレース1では、我らが小山選手が見事に優勝!

鬼門のサーキットと言われた菅生で結果を出すべく身体を絞って4キロほど体重を落としてきたそうです。



またマシンもいい感じにセッティングが決まり圧倒的にストレートが速く、ライバルがスリップにつけないほど伸びていました。

ライバルであり友人の大河君とのバトルは、とても見ごたえがありワクワクでした。

表彰式のシャンパンファイトで、大河君のシャンパンが開かずに悶絶していたのがウケました。笑





いい流れを掴んで臨んだ日曜日。

まずはST1000の高橋選手がやってくれました。

スタート2周目でストレートでの多重クラッシュがありレースは一旦中断。

コースの整備が終わり再開されたレースで見事3位表彰台を獲得!





セッティングが決まらないマシンで、苦しみながらもきっちり表彰台を獲得する所は流石と言う言葉しか出て来ません。

ライダーがベストな状態で走れるマシンを作るのがメカニックの役割ですが、こればかりは毎回必ず100%のセットアップが出来るものではないのです。





だからこそ、常に現状のマシンに合わせて乗り方を変える柔軟なテクニックが必要なのです。

手島監督が現役の頃、自分でマシンを整備し自分で走っていた時期がありました。

お金もなくトランポの車の中で寝泊まりしてレースをしていたわけです。



誰にも文句を言えない状況の中、決まらないセッティングのマシンでも結果を出してきた手島監督。

そんな手島監督と、同世代の高橋選手や小山選手も同じく、そうした環境で育ってきたライダーなのです。





高橋選手も昨日の小山選手の優勝に感化され、そして又、小山選手も高橋選手の走りにパワーをもらう。

この2人には僕達には見えないエネルギーの交換をしているように感じます。



しかし、本当のドラマはここからはじまります。

ST600のレース2がスタートした直後、オイルが漏れていた車両があったらしくそのオイルに小山選手が乗ってしまい、なんと240キロの直線でスリップしてしまうのです。





想像できますか?

240キロで走るバイクが突然転倒するのです。

ライダーは何百メートルもコンクリートの路面を転がりバリアに激突しました。



コーナーリング中は、転ぶ事も考えているし多少なりとも受け身が取りやすいです。

しかし、不意に突っ込まれたり、今回のように突然のスリップは本当に危険な転び方なのです。



小山君に大きな怪我は無かったものの、全身を強く打っているので、身体全体が打ち身状態。

小山君は、骨折していても大丈夫と笑って走る人なので今回も平気だよーと言ってましたが、240キロで転んでいるのですから痛くないわけがありません。

このクラッシュから、またしてもコースにオイル漏れがあるとレースが一時中断となりました。





レッカーで戻って来た小山君のバイクは廃車状態。

フロントフォークは折れ、フレームも曲がっているほど酷く破損していました。

バイク屋で働いていた経験から、一発で廃車とわかるほどボロボロだったのです。



もしもレースが再開された時、このバイクを直してスタートしなくてはいけません。

直すのか直さないのかの判断の前に、そもそも直るのか。

直ったとしてもレースが出来るほど、まともに走れるバイクになるのか。

また、直すと判断した時、わずかな時間に直す事が出来るのか・・・・





僕は、横で色々な事を考えていました。

しかし、メカニック達は違いました。

誰が指示するわけでもなく、全てのスタッフが見事に連携をして修復作業が始まったのです。



Tカーから、必要な部品を外すスタッフ。

壊れたマシンの状況を判断して、破損部品を外すスタッフなど。

普段から、いつもやっているんじゃないかと思うほど誰一人無駄な作業をせずに、マシンの修理がはじまりました。



よくこうした復旧作業を見た友人から、スペアのマシンはないの?と聞かれます。

実際にはTカーと言って、スペアのマシンは用意されています。





しかしレースに出場するマシンは、事前にフレーム番号の提示をします。

要するに車検のようなものです。

そのフレーム番号が変わった場合、それは失格になってしまうわけです。

極論ですが、もしそれが許されるなら、1000ccのバイクで出る事も可能になってしまうのです。



つまり、このボロボロになったマシンを使わなくてはいけないと言う事。

そんな時、菅生サーキットから、ST600のレース2は中止と言うアナウンスが出ました。

正直、残念な気持ちと、少しホッとしたような気持ちと、複雑な感情が出てきました。





しかし、なぜかメカニック達は手を止めません。

中止なったのだから作業しなくてもいいのでは・・・

そう思っていた数分後、12周と減算してレースを再開するとアナウンスが入ったのです。



まるでそうなる事をわかっていたかのように、作業を続けるメカニック達。

少しずつバイクの形になるST600のマシン。

メカニックの中には作業中に怪我をしてしまい、血を流しながら整備している人もいました。



もうね・・・

隣で見る事しか出来ない僕は、涙をこらえるのに必死でした。

小山君をなんとしてもチャンピオンにしたい!

昨年の悔しい気持ちを二度としたくない!

応援に来てくれた日本郵便の皆様やファンの皆様に勇気を与えたい!

もし直らなかったとしても、絶対最後まで諦めない!

絶対に直してやる!





レース再開まで残り数分。

時間が迫る中、殺気に満ちたオーラをまとって小山君がピットに戻って来ました。

顔はいつものようにニコニコと笑っています。

しかし、全身から溢れる何とも言えないオーラに近づく事も出来ませんでした。



そしてレース再開の30秒前に最後のボルトを締め、マシンが完成しました。

皆が繋いでくれたタスキ。

自分の為に、チームの為に、ファンの為に、怪我をしながら直してくれたマシン。

このマシンで、絶対に勝ってやる!





そんな形相でヘルメットを被り、いつものルーティーンで

愛馬にまたがりエンジンをかける小山選手。

エンジンがかかった時は、おぉぉぉぉと言う小さな歓声があがります。



スターティンググリットに着いた小山選手。

メカニックに言った一声目が「右側に違和感が・・・」

真っ直ぐ走らない、右の設置感がない、ストレートではハンドルがブルブルと波をうつ。

そんなバイクで、ST600のレース2がスタートしました。



僕がライダーなら、怖くてアクセルを開ける事すら出来なかったと思う。

後に、手島監督も、よくあのバイクで走ったわ。

あいつは本当にすげーよ、と話してくれました。





身体の痛みと、暴れるマシンを抑えながら、3位を走行する小山選手。

ピットでは、祈るようにモニターを見つめるスタッフ達。

無事に完走してくれれば、それだけで十分なのに

必死に走る小山君の姿に、またしても涙が・・・・



レースの終盤、たしか残り3周くらいだったか・・・

小山君のセクターに赤色が点灯する。

これは、区間最速タイムを表示するサイン。



つまり、万全の状態で走っているライダーよりも、小山君のほうが速いと言う事。

もーね、意味が分かりません。

ピット内では歓声があがります。

言い方は悪いですが、彼はバケモノです。





残念ながら最後は一台にパスされ、結果は4位となりましたが、

今回の4位は優勝以上に価値のある結果だと思います。

走れなければノーポイントとなり、優勝戦線から離脱してしまいます。

そんな中で、4位となった小山選手に、あっぱれです!



ライダーの技術だけでも勝てません。

いいメカニックがいればレースは勝てるわけでもありません。

ライダー、メカニック、スタッフなど、本当にチーム一丸となって掴んだ4位!



こんなに素晴らしいチームが他にあるんだろうか・・・

僕はスタッフとして現場にいますが、お世辞抜きにそう感じた1日でした。



僕も小さな会社を経営していますが、こんな会社を作れる自信は正直ありません。

9年前の居酒屋で不安と期待を胸にチームを作りたいんだよね・・・

と話してくれた過去のてっしーに、こんな素晴らしいチームになるんだぞ、と伝えたい。



そして何より、このチームを支えてくれている日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様とファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。



いちスタッフの僕が言うのもおこがましいですが、皆様、本当に本当にありがとうございます!

親友であり大好きなてっしー、そしてこのチームをこれからも宜しくお願いします!



もうやばいっす。

書きながら泣けてきました(笑)





また忘れてはいけないのが、今回スポットで参戦した伊藤選手。

和輝も、サスのセットが上手く行かない状態で8位と健闘しました。

岡崎選手も17位でゴールしていますが、少しずつ上がって来ました。





今回の小山君を見て、若いライダー達が彼の背中をどんな気持ちで眺めていたのか。

これは僕には分かりませんが少なくとも、気合は注入されたと思います。



次戦は、6月25日、26日で筑波サーキットです!

ここでは、J-GP3クラスの岡崎選手のみのレースとなりますが関東からも近い場所なので、お時間ある方は是非サーキットへお越しください。

僕もサーキットにいますので、声かけて頂けると嬉しいです。





ここまで、長々と長文にお付き合い頂き、ありがとうございます!

支離滅裂な文章で読みにくいかと思いますが

今後ともお付き合い頂けると嬉しいです!

皆様の声援は間違いなく選手に届いています!

その声援が本当に大きな力になるのです。

筑波でも宜しくお願い致します!

菅生サーキットでの詳細はTプロホームぺージでもアップしていますので、よかったら、そちらも見て頂けると嬉しいです!



最後までお付き合いありがとうございました。

株式会社アイビア 代表取締役 杉浦央晃

株式会社アイビア
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