こんにちは、株式会社アイビア代表の杉浦です。


11月1日、2020年最後となる全日本ロードレース選手権が鈴鹿で行われました。

僕たちのチームからは、ST1000クラスと、ST600クラスに2台エントリーしていて、どちらも年間チャンピオンの可能性が残っていた。

ST600クラスは昨年チャンピオンになっていた事から、二連覇がかかっており、一方、ST1000クラスは今年から作られたカテゴリーだったので、何としても初代チャンピオンになりたいと思って一年頑張って来た。





ST600クラスは厳しいポイント差がついていて、こちらがチャンピオンになる為には、最後のレースを1位でフィニッシュして、年間2位のライダーが、8位以下である事が条件だった。

ライバルも速いライダーで常に表彰台に乗っている選手ですから、転ばない限り8位以下になる事は考えにくい。

当然、優勝を目指して無茶な走りしてこないはず。

こちらは、なんとしても勝ちたいので、1位を目指して攻め続けなければいけない状況だった。





波乱のレースは4週目に赤旗中断となり、残り7周での再スタート。

さらに6週目に多重クラッシュがあり、2度目の赤旗でレース終了。

結果は、予選6番手からスタートして、決勝は5位、シーズンランキングは3位となりました。





一方、ST1000は、2位と大きくポイントをリードしており、相手が2位でこちらがリタイヤしても優勝だったので、余裕で見ていた。

が、しかし、レースの神様は簡単には勝たせてもらえない。

レースの数日前にライダーが大けがをしてしまった。





この事はチーム関係者でも一部の人しか知らされておらず、僕も前日に怪我の事を知った。

全身打撲に加えて、数か所骨折もしていて、とても決勝レースを走れる体ではなかった。

それでも多くのファンの期待に応えたいと、痛み止めを飲み予選を3位で通過する。





1人でバイクを支える事も出来ない選手が300キロのスピードでレースをするなんて考えられない状況。

本人は、常に笑顔で「全然大丈夫ですよ」と言うが、その後の顔が痛みでゆがんでいる。

何度も医務室に行き、怪我の個所を冷やしたりマッサージをしたりしている姿があまりにも痛々しかった。





そんな怪我の中、決勝がスタートした。

ここで、神様は二度目の試練を与えて来る。

スタート直後、うちの選手にジャンプスタートのペナルティー。

これは、スタート時に少しでもバイクが動いてしまうとフライングになるペナルティーの事。

陸上の短距離走の時に、フライングするとコンピューターが感知してやりなおしになるのを見た事はあると思うが、あれのバイク版だと思って欲しい。





このペナルティーを受けた選手は、レース中に一度ピットまで戻って来なくてはいけない。

一週目に2位のポジションにつけていたのに、このペナルティーでまさかの最下位になってしまった。

ペナルティーのアナウンスが流れると、ピットの中が凍り付いた。





現在1位を走行している選手は、ポイントランキング2位の選手で、このまま彼が1位で、こちらがノーポイントなら逆転負けになってしまう。

30台がエントリーしているST1000クラスの最下位になってしまったのだ。

ポイントがもらえる最低ラインは20位なので、満身創痍のうちの選手が最下位から20位まで順位を上げなければ勝てないのだ。





日本の選ばれたライダーが集まっているのだから、そんなに簡単な事ではない。

彼は、痛みをこらえて最下位から全力で前のライダーを追撃する。

1台、また1台と、前のバイクを抜く度にピットでは歓声があがっていた。





メカニックは冷静にラップタイムを計算して、前のライダーとのスピード差を割り出す。

残り周回を考えると、ラストラップにはポイント圏内に入るぞ!まだチャンスはある!

祈るような気持ちでモニターを見つめるスタッフたち。




彼は計算以上の走りを見せて、なんと、最下位から16位まで順位を上げてフィニッシュした事で、見事ST1000クラス初代チャンピオンを獲得しました!

レースの神様は本当に簡単には勝たせてくれない。

苦しい一年でしたが、チームとしてチャンピオンを獲得出来てよかったです。






そして、念願だったチャンピオンTシャツを着る事が出来ました!

お金には変えられないので、このTシャツは僕の宝物になりました。





ライダーの小山君、高橋君、チームメカニック、スタッフの皆様、一年間本当にお疲れ様でした。

そして、チームを支えてくれたスポンサーの皆様に心から感謝致します。

本当に本当にありがとうございました!

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最後までお付き合いありがとうございました。

株式会社アイビア 代表取締役 杉浦央晃

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