こんにちは。
暑くなってきましたね。先日、ベランダでコクワガタを捕まえました。
胚培養士のY.Kです。

日本卵子学会で発表した演題「胚評価クラウドAI -Life Whisperer “Viability”-の検証」の内容をザックリ紹介します。
ChatGPTでも話題の「AI」の移植胚選択への応用です。

最近、生殖補助医療の分野へのAIの応用検討が数多くされています。
今回検証しているAIは「移植した胚盤胞画像1枚」と、「胎児心拍有無の結果」を結び付けて学習を繰り返し開発されたものです。
そのため、「胚盤胞画像1枚から妊娠の可能性をスコア化」するAIとなります。


 


欧米ではすでに製品化されており、スコアと妊娠に相関があることが報告されています。

じゃぁ、もう使えばいいじゃん・・・。となる人もいるかもしれません。

しかし、施設による培養条件の違いなどあるため、まず第3者目線で検証することが必要です。また、胚培養士が移植胚を選択する際、形態評価等を考慮する指標が明確ですが、このAIの場合、画像を読み込ませるとスコアのみが出てくるので、何を指標にスコアを出してきたかを全て知ることはできません。そのため検証を通して、「胚の専門家の立場として、このAIを信頼できるか」という点も重要になってきます。
今回はレトロスペクティブスタディといって、既に移植を終えて胎児心拍の結果が出ている成績を用いて、このAIのパフォーマンスを検証しました。

その結果、当院で胚培養士が行う移植胚選択と同等のパフォーマンスを持っていることが分かりました。しかし、今回の検証にはいくつか条件を設けており、気になる点も若干あります。そのため今後も検証を進めていき、臨床へAIをどう活かしていくかを考えていきたいと思います。

 

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