こんにちは!
胚培養士のKです。
今回の培養室の1日は体外受精についてご紹介します。
前回までの培養室の1日「卵丘細胞除去」では採卵で採取された卵子を顕微授精に備えて卵丘細胞除去するところまで、
「精子処理」では精液を調整してよい精子を選別するところまでをご説明しました。
今回ご紹介する体外受精とは、採卵後に卵丘細胞除去していない卵子を専用の培養液の中に入れ、周りに調整した精子を加えることで、精子自らの力で卵子の透明帯を通過して受精する操作のことです。
しかし運動精子数が少ない場合や、精子の運動が弱い場合、また原因不明の受精障害のある患者さんは体外受精による受精が難しい場合があり、時には全く受精卵が得られない場合もあります。
そのため、当院では顕微授精と体外受精の2種類の受精操作を行っています。
採卵で採れた卵子の個数、精子の濃度、過去の受精率などから総合的に判断して二つの受精操作を併用するか、顕微授精のみを行うかを決めています。
実際の体外受精の操作の様子
体外受精用の培養液(写真右側の容器)に卵子を入れ、調整された精子(写真左側の容器)を卵子の周りに振りかけます。
2名の胚培養士がダブルチェックで卵子と精子の患者さんの名前が一致していることを確認し、体外受精の操作を行います。
次の回では、いよいよICSIについて詳しくご紹介します!