こんにちは!
胚培養士のOです☻


前回・前々回と報告書に出てくる気になる言葉について説明をしてきました。

 


卵子について
Day5・Day6とは?

 


今回はその第三弾です!

 

 


当院では精液検査の結果もアプリにてご報告しています。
また、採卵後の体外受精報告書にも精液の結果が記載されています。

 


精子の数はとても多いけれどどうやって数えているのかな?

 

 

なんて疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

 

 

簡単にご説明したいと思います!

 


【精子のカウント】
精子は精液1mL中に数千万もみられます。

 

これを全て数えることはもちろん不可能です。

 


そこで、精子のカウントには細かい格子が入った計算盤を用います。

 

方法はとても単純で
①精液を決まった量取って、計算盤に入れます
(とても少ない量です)

 

②顕微鏡下で10×10マスあるうちの10マス(1列)の精子を数えます

 

 

・・・それだけで精液1mL中に含まれる精子数が計算できるのです。


 


 

顕微鏡をのぞくとこんな感じです。
黒い点に見えるのが精子です。

 

 

 

野鳥の会のようにカチカチとカウンターで数えています。

 


カウントに用いるのはほんの少しの精液ですので、そこに精子が見られないことがあります。

 


その場合、結果には「0万精子/mL」と記載されますが、全部の精液を調べてみるとちゃんと精子がみつかることがあります。

 


普通の妊娠や人工授精、体外受精なら、ある程度の数や元気がいいかどうかも関係ありますが、顕微授精では生きているかどうか、DNAが壊れていないかが大切なのです。

 

 


(精子の役割については→https://ivf-asada.jp/tamago/tamago03.html

 

 

 

 

以前より自動で精子を分析する装置はありましたが、使い勝手が悪くて臨床では常時使っていませんでした。

 

しかし最近では機器の性能もよくなりましたので
品川ではSMAS(sperm motility analysis system)という自動で精子を認識して解析するシステムを使っています。


写真を見ると運動精子不動精子が色分けされているのがわかります。


SMASは名古屋・勝川クリニックでも順次導入予定です!

 

 

今回は以上になります
お読みいただきありがとうございました