こんにちは!
今回は胚移植の前に培養室内で行っている『孵化補助』についてご説明します!


体内で受精した胚は胚盤胞まで成長すると
透明帯の一部が破れてそこから胚盤胞が脱出し始めます

 

完全に脱出した胚が子宮内膜に着床すれば妊娠が成立します

このように、胚盤胞が透明帯を脱出することを孵化といいます


普通に培養していれば孵化するんじゃないの?
と思うかもしれませんが、不妊治療を行っていると
体外受精や顕微授精、また胚の凍結融解処理の影響で
透明帯が硬化し、孵化しにくくなってしまいます

このような胚の透明帯を薄くしたり孔をあけたりすることで
胚の孵化を助けてあげる処置のことを『孵化補助』といいます


当院ではレーザーを用いた孵化補助を行っております

レーザーを使うって胚に影響はないのか!?
結論からいうと、正しく使用すれば問題ありません!

 

熱影響によるリスク


レーザーによる方法は、透明帯に熱を当てて開けていきます

熱を利用するということで、細胞への影響が心配されますが、
胚に熱影響を及ぼさない距離感でレーザーを当てていくので心配ありません

 

細胞のDNA損傷のリスク


例えば紫外線はDNA損傷を促してしまうため、とても危険ですが
使用しているレーザーは赤外線領域にあり、細胞のDNA損傷を起こしにくいです



次に、孵化補助の種類についてご説明します
当院で行っている孵化補助は、開孔菲薄化(ひはくか)の2種類あります


 
融解後の胚盤胞に行う操作が開孔です

融解後の胚盤胞は収縮している場合が多く、収縮した胚盤胞と透明帯の間に隙間ができます
隙間が生じている間に透明帯にレーザーを照射して開孔します
開孔した胚盤胞は培養継続すると孵化した状態になります



 
主に分割期胚に対して行うのが菲薄化です

分割期胚移植の受精卵は割球同士が接着しておらず
透明帯に穴を開けると割球が外に飛び出す可能性があります

そのため透明帯を菲薄化する(薄くする)ことで孵化を補助します



このようにして孵化補助をした胚は胚移植を迎えるまで
インキュベーター内で培養しています


前回と併せて、胚移植に向けて培養室内で行っている業務を紹介しました

ブログ内では、培養室内で行われている業務をたくさん紹介していますので、
気になる業務内容の記事を探してみてください!
(テーマ別から『培養研究部のつぶやき』を選択すると業務内容の紹介記事が出てきます)

 

 

 

 


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