流星 | long island sound

流星

18年間オモイデを棄て続けてきた。過去の過ちを忘れようとしているその僕には、いい思い出も数え切れないほどあるのだ。このブログで記録されている日々の中、涙をしたことも多少あるけど、そのほかに僕は笑ったり楽しんだり、感動したりしている。


服とパソコン以外に、僕は一つの小さな箱を荷物に詰め込んで日本に出発した。それは、大切な人から貰った物が入っている箱だ。寮のRAがくれた年賀状や人生最初と最後に貰ったバレンタイン・カードや貴重な写真。元々お菓子が入っていたあの箱もプレゼントとして貰ったのだ。そして、日本に来て更に色々な物で一杯になった。手紙と目覚まし時計と名刺。この間アルバイト先で使っていた名札をあの箱に入れた。


日本に来てから僕は引越しを繰り返し、そしてその度にあの箱を持って行く。


時折、その中身を取り出し、眺めてみる。


その中には、とっても大切な人がくれたお手紙がある。6月にそれを貰って凄く喜んでいたものの、封筒を開けてから字が読めなくて酷く挫折してしまった。相手が気持ちを伝えようとしていたのに僕はそれを理解して上げられず、深く落ち込んでしまった。手紙をもう一度封筒の中に納めたが最後、それを読むのを諦めてしまった。


今晩まではそうだった。しかし、先程あの手紙のことを思い出し、思い出の箱を開けて、手紙を取り出してみた。手紙は箱の中に綺麗に保存されていて、皺も変色もまるでなかった。字に目を通してみた。決して楽ではなかったが、努力して普通のペースの十分に一でその紙で並んでいた字を、一つひとつ声に出して読んでいった。


そこで書かれていた、6月の相手の気持ちを、僕は今度こそちゃんと理解して上げられた。不安と心配、そして希望。何故もっと早く読んであげられなかったのだろう。 何故そう簡単に諦めてしまったのだろう。