指輪 下
近所のドトールに入り、「ニート」を読み始めた。この本を買ったのは、表紙に書かれていた抜粋に惹かれたからである。紀伊国屋の窓でそれを読んだ時は何とも思わなかったけど、月曜日は何度もその台詞を思い出した。
「どうでもいいって言ったら、この世の中本当に何もかもどうでもいいわけで、それがキミの思想そのものでもあった。」
僕は四年前、漫画で東京大学の時計台の絵を見てからというもの、いつかはあの時計台の下に行くのだと決めていた。それは日本語を勉強し始めた理由の一つでもあり、今まで上手になる気を起こさせ続けた刺激でもある。
上智ではもう、僕の居場所がない。
何かを期待しては必ず 失望してしまう。
大学に入れば。
彼女がいてくれれば。
日本に行けば。
上京すれば。
オトナになったら。
言い訳を作り続けた18年間の人生。
東大に行けば。
本当はどうでもいいことのはずなのに。