バナナbag
寝られるだけ寝ておき、9時半頃六本木へ出かけた。翌朝の5時半シフトが終わると、一旦家に戻って朝飯を食べておいた。日本語能力試験の受験会場となっていた拓殖大学に着いたところ、一つの怪我を除けば絶好調であった。それはバイト先でダーツ台のアップの時に、ボードに刺されていたダートのチップの破片でできた擦り傷で、掌の一つの皺に沿って皮膚がきれいに切られた。出血はしなかったが手を動かすたびちくちくする。そして試験が始まったら間もなく、緊張していないと何度も自分に言い聞かせながらも、手だけが汗でびしょびしょになり、鉛筆が握りづらくなった。掌を上げて見てみると、蛍光灯の光線が皺の窪みに溜まっていた汗に反射していたのが見えた。塩分に晒された傷口が放った新鮮な痛みと、その異様な輝きはとても印象的だった。