マイ・ファースト・カルボナーラ | long island sound

マイ・ファースト・カルボナーラ


11.23 六本木一丁目駅

ライターと、数本の煙草が入っていたMarlboroの箱を見つけたのはL5のアップをしていた時だった。本当はお客様に取り残された物をぱくっちゃいけないけど、こっそりとその小さな箱をサフロンのポケットに押し込めて、シフトが終わったら吸ってみようと決心した。


実はずっと前から煙草に憧れていた。煙草の匂いが結構好きで、漫画喫茶店に行くと必ず喫煙席を頼んでいた。が、最近無駄遣いをしないように努力し始めたし、健康に対する悪影響を考えると絶対に吸ってはいけないと思っていたので、今朝まで一度も吸ったことがなかった。


しかしタダで煙草を手に入れたことで罪悪感が薄れ、今日お店から外に出たら早速一本を口に加え、手でライターを覆いながら白くて細長い円筒に火をつけた。午前6時でも六本木の街角に人が多くて、遠くからドラムの音が響き渡っている。


最初は平気だったが、吸い続けると一本の煙草が短くなるにつれ気分が悪くなった。ハンフリー・ボガートとかスパイク・スピーゲルとかに憧れて吸ってみたいと思ったが、実際に吸ってみると寧ろ安っぽい感じがした。一本を吸い終えるまでの時間で、自分の煙草に対する気持ちが一転し、結局吸殻を捨てて足で踏み潰してしまった。


煙草を吸うことには何か魅力があるとは思うけど、それは俺には、もっと正確に言うと今の俺には、とても似合わないものだ。