誰かの呼ぶ声が聞こえた 少女はそれで目を覚ます
心地よい風に抱かれて 澄んだ空へと舞い上がる

誰かがね...泣いているの...

それは気の所為かしら?(そうよ気のせいよね)
もう...そういうことじゃないわ(じゃあ風の所為かしら?)
楽園で泣くはずないわ(そうよ泣くはずないわ)
だって楽園なんだもの(楽園なんだもの)

何処かでね...泣いているの...

悲しみも苦しみも?(そうよここには無いから)
幸せ満ち溢れる世界?(そうそれが楽園)
楽園で泣くはずないわ(そうよ泣かないでね)
だって楽園なんだもの(楽園だからこそ)

本当はね...知っているの...
(誰かがね...泣いているの...)

第四の地平線 その楽園の正体は...

空は荒れ 木々は枯れて 花は崩れ朽ち果て
腐敗した大地が 闇の底へと堕ちてゆく...
エルは生まれ エルは痛み エルは望みの果て
安らぎの眠りを求め 笑顔で堕ちてゆく...

"Ark"
箱舟に托された願いたちは...

"Baroque"
歪んだ恋心のままに求め合い...

"Yield"
理想の収穫を待ち望みながらも...

"Sacrifice"
多大な犠牲を盲目のうちに払い続け...

"StarDust"
ついには星屑にも手を伸ばすだろう...

挟み込まれた四つの《楽園》(EL)に惑わされずに
垂直に堕ちれば其処は《奈落》(ABYSS)

何処から来て 何処へ逝くの 全ては誰の幻想(ゆめ)?
差し出された手に 気付かないままに堕ちてゆく...
エルは倦まれ エルは悼み エルは望みの涯(はて)
安らぎの眠りを求め 笑顔で堕ちてゆく...

──退廃(Decadence)へと至る幻想 背徳を紡ぎ続ける恋物語(Romance)
痛みを抱く為に生まれてくる 哀しみ
幾度となく開かれる扉 第四の地平線──
その楽園の名は『ELYSION』またの名を『ABYSS』──
Alvarez亡命の報は 帝国のみならず
Garia全土に強い衝撃を響かせ疾った...

時代は英雄を求め 反撃の狼煙は上げられた
旧Castilla領が 帝国に対し独立宣戦を布告
旧ロンバルド領 旧Preuzehn領がそれに続き
帝国内部で高まりつつあった聖戦への反感が遂に爆発

Alvarezを頼り 軍・民・問わず亡命者が殺到
更に熾烈な四正面作戦を強いられた帝国は
次第に領土を削られ 国力を疲弊していった...
そして...戦局の流転は 時代にひとつの決断を投げ掛ける...

それは...皇帝 聖Childebert六世より
Britannia女王へと宛てられた一通の親書...

帝国暦四年『Verseine休戦協定会談』
帝国領Yvelines Verseine宮殿
大理石の回廊を進む薔薇の女王
左にはParsifal 右にはAlvarez
柱の陰には招かれざる客...

黒の教団より放たれし刺客...
死角より放たれし時の凶弾...
嗚呼...歴史は改竄を赦さない...

凍りつく時間の中を 崩れ堕ちるAlvarez
Parsifalの雷槍が閃き 崩れ落ちるGefenbauer

それは...歴史の流れが変わる瞬間だろうか?
それとも最初から全て決められていのだろうか...

「...先に逝ったのか...Gefenbauer...人間とは全く...哀しい生 物だな...」

彼を誘う最期の闇 その中にさえ...

「嗚呼...朱い...何て朱い夕陽なんだ...Charlotte...私は必ず. ..必ず帰って...」

Britannia暦630年 英雄Albers・Alvarez
Yvelines宮殿 にて暗殺者の凶弾に倒れる...
彼の墓碑銘にはLuna Balladが捧げた詩の一節が刻まれた...

多くを殺し 多くを生かした 多くを悩み 多くを為した <Belgaの同胞>ここに眠ると...

Garia全土を巻き込んでなお停まらない大戦
その終結には...更に多くの血と涙 五年の歳月を要するのである...

夕陽に染まる丘 寄り添うように並ぶ二つの墓標
白鴉が凛と羽ばたいて往く 終わらない空の向こうへ...
「此処は何処なのかしら?私は確か...追われ...矢を射られ...倒れたはずだっ たわ...」

「気付いて良かった、大丈夫かい?
私の名はAlvarez、君達の村を襲った軍隊の指揮官...
だったのだが...今ではもう追われる身だ...からと言っても...言い訳に過ぎぬ ...私が憎いかい?」

「えぇ...憎くない...と言ったら嘘になるけれど...助けてくれた貴方のこと、 私は信じたい...」

「私はBelga人なのだよ...
亡国の仇を取る為、旧Flandreへ身を寄せた<異邦人>
この意味が解るかい...お嬢さん?この手はもう取り返しのつかない程に汚れている. ..」

「最初は怒りからPreuzehnを...
次に異国での居場所を確保する為Lombardoを...
そして己の願望を満たすという目的の為に、Castillaを滅ぼした...」

「今でも目を閉じると、鮮やかに浮かんでくる風景がある...
私にはどうしても取り戻したい場所があったのだ...
そんな私に当時のChildebert六世陛下は約束してくれた...」

「国をあと一つ...例えばBritanniaの征服を条件に...
Belgaの独立自治権を許すと...私は他人の国を売って...自分の国を買い戻そ うとしたのだ...」

「私はそんな愚かな男なのだよ...」

「そう...そんな愚かな男なら、私がここで殺してしまっても構わないわね?」
「あぁ...好きにするが良い...私は取り返しのつかない過ちを犯してしまった.. .」

「馬鹿!それでは何も解決しないじゃない...貴方はそれで満足かも知れない...
でも貴方の仇を取ろうとする者が現れないとは限らない...その論理が繰り返し悲劇を 生んでいるのよ...」

「取り返しのつく歴史なんて一つもないの、だから尊いの、だから私達は新しい歴史を創 ってゆくの...
愚か者とは...過ちを犯す者のことじゃない...過ちと知ってなお、正そうしない者 のことをいうのよ...」

「...ねぇ...そうでしょう?」
「お嬢さん...君は強いな...」
「えぇ...そうよ...私は強いわ、この国の未来を背負っているんだもの...」
「この国の未来?Britanniaの女王は若い娘だと聞いていたが...まさか.. .君が...!」

「Rose guine Avalon...そう...私がこの国の女王よ...
黙っていて御免なさい...でも解って欲しいの...Alvarez将軍...私は貴 方を信じます...」
「これは...女王陛下とは露知らず、数々の非礼を...」
「お願い!畏まらないで、私はそういうの好きじゃないの、私のことはRoseで良いわ ...」

「それにしても貴方があの有名な「Belgaの死神」とはね...
...想像していた像と随分違うわね、熊のような大男だと思っていたのに...」

「...でも<Belgaの死神>はやめた方が良いわね...
この国では流行らないわ...Britannia風に言うと...
そうね、<Belgaの暴れん坊>かしら...
そっちの方がずっと素敵よ...ねぇ...そうしなさいな...?」

「何?さっきから女性の顔をそんなに見つめて...」
「いや...最初に貴女を助けた時、ある女性に似ていると思ったのだが...」
「思ったのだが?」
「...今にして思うと全然似ておらぬ...」

Windermereの湖畔を白い風が駈け抜けて往く...
Tristram騎士団長率いる第六騎士団が衛る地
Lancasterへと...