ライブコマース、ライブ販売とは
本当に売れるの?
マクロミルによる15歳から49歳の男女2万人を対象にしたライブコマース利用実態調査によると、ライブコマースの認知率は約30%でした。認知率には年代差がみられ、最も認知率が高いのは10代で40.0%、20代が36.7%、30代が29.9%、40代が21.5%となっており、若い年代のほうがより認知率が高い傾向があります。
ライブコマース認知者のうち、実際にライブ配信を視聴したことがある人は41.1%、視聴したうえで商品を購入したことがある人は14.0%となっています。
購入者に今までに買ったことのあるものを聞いてみると、最も多いのが「服」で66.3%、「アクセサリー・時計」36.8%、「家電」29.8%、「書籍・雑誌・コミック」「音楽CD・DVD・ブルーレイ」27.0%と続きます。半年以内にライブコマースで買い物をしたユーザーの1ヶ月あたりの購入金額は、平均6,512円でした。
ライブコマース利用理由には「出品者が紹介する商品を買いたい」「商品の詳細(サイズ感、着心地/色、香り、味など)がリアルタイムで質問できる」「ショップ店員と話すように、買い物ができる」といったものも挙げられており、インターネット上でありながらまるで実店舗で買い物をしているような購買体験を求める層が存在することが分かります。
購入したことがある商品として「服」が多いのは、実際に手に取らないとわかりにくいサイズ感や、着心地などを直接質問できるというのが大きいでしょう。既存のECサイトでは見えにくい情報がその場で得られるのはライブコマースの強みであり、ファッション通販分野でのニーズの高さが窺えます。
また、「今後もライブ配信を視聴し、買い物をすると思う」が85%と利用継続の意向を示す人が多く、ライブコマース市場の広がりが予見できます。
ライブコマースの注意点
特に若年層に一定の認知率があり、参入企業も増加傾向にあるライブコマースですが、実践する企業は「売れる配信者が限られる」という課題を感じています。配信者は、商品を売れる人・売れない人で二分化され、売れない人が大多数を占めているのが現状なのだそう。インフルエンサーをアサインすれば動画の視聴者は増えるものの、購買に至らないケースも多いと言われています。
売れる人・売れない人の二分化が起こる理由として、視聴者とのコミュニケーションの難しさが挙げられます。ライブ配信で商品の説明をしてもスペックの話に終始してしまったり、視聴者が知りたがっている情報を提供できなかったりするパターンが多いのです。ライブコマースでは「配信者のファンだから買う」という購買行動が起きますが、視聴者の交流や商品の紹介が上手くなければファンもつかず、販売につながらない、という悪循環に陥ってしまいます。
こうした課題を改善するためには、配信者と視聴者の間で共感が生まれるようなストーリー作りが重要です。思わずハートやコメントを残したくなるような、ファンが増えるような配信をすることが、購買につながるカギと言えます。
また、ライブコマースのプラットフォームを提供する企業と配信者の連携や、プラットフォームとしての付加価値の向上、売れる人を育てる環境づくりなどが必要になってくるでしょう。
中国のユーザーに売りたい場合は?
ライブコマース最先端であり、すでにスタンダードな販売・購入手法として定着している中国の市場規模についてご紹介します。
中国は世界最大のライブコマース市場を有しており、2018年には前年比32%増の44億ドルに達し、視聴者数は4億5,600万人と推定されています。毎日4,000以上のライブコマース配信者が、15万時間以上のコンテンツを生み出しています。
中国国内で圧倒的な人気を誇るECサイト淘宝(タオバオ)では、ライブ販売を通して60万以上の商品を購入可能です。
中国ライブコマースでのトップカテゴリーはファッション・美容関連ですが、生鮮食品のライブ配信にも人気が集まっています。食品の生産地・供給元に対する関心が高まっている中国の国内事情をよく反映しています。
このように、日本とはかなり市場の状況が異なりライブコマースが浸透している中国。日本でもこのように盛り上がる日はくるのでしょうか。