大谷翔平の進化は止まる処を知らない、フルスイングして懸命の力走を見せる彼の姿に一種の恐怖を感じる、一瞬の隙を狙って怪我・故障の大敵が襲ってくる、誰もが避ける事の出来ない試練が大谷にも仕掛けられているのではないか、不吉な憶測は慎まねばならないが、信じたいのは類い稀ない彼の身体能力と天性の資質にある。

 

比較するのは烏滸(おこがま)しいが、私が在学中に教わった中日O・Bの宮下(明大)投手コーチが口癖のように言っていた「投手ズレするな、、、、」の一言が思い出される、我々の頃の投手陣は軽いランニングとピッチング練習以外は野手に比べ比較的恵まれた練習メニューであった。

私は打撃投手を終えると特権のように好きな打撃練習をさせてもらったが、全体的に野手に比べ息抜きが出来たように思う、普段は豪放で酒豪の宮下コーチは放任主義だったが、「投手ズレ」だけは許さなかった、私にはこれが良き教訓となった。

 

扨て、テーマ(表題)の「私を野球に連れてって」”Take Me Outo to the Ball Game"は1949年、フランク・シナトラとジーン・ケリーのミュージカルが紹介されヒットしたが、当時、日本では公開されなかった。

メジャーリーグ(MBL)では7回終了時に観客も選手も全員が立ち上がって、腰を叩き背中を伸ばして「セブンス・イニング・ストレッチ」と飛び跳ね乍ら「私を野球に連れって」を合唱するのである、日本の野球も風船や紙吹雪を飛ばさないで球場全体で長時間の野球観戦のストレスを発散させて欲しい。(日本ではホームチームだけが7回裏の攻撃が始まる前に騒いでいる)

 

私には到底才能のない話だが、誰か国民的は発想の楽しい曲を作ってくれないかナー、「私を野球に連れって」の歌詞は確か2番しかなかった筈、日本の球場でも背中を伸ばして飛び跳ね乍ら敵も味方も一緒になってストレッチをすれば健康的でストレス発散にもなるのではないかと細(ささやか)に願っています。

<次回は日米の野球豆知識>