夏に近づいて、といっても季節の区分ではもう夏ですが、盛夏が近くなると犬を山で走らせることが酷な状態になって行きます。

人間も急傾斜地を歩くのが大変苦痛です。

そんなわけで、今日から午前7時開始、出来れば午前中に終了という予定で臨みます。

となると、私の起床時間は午前3時45分となります。犬たちや鶏たち、野菜や木々のの世話を済ませて出発は午前5時丁度でした。

現地に到着したのが、7時40分でしたから、いつもは通勤ラッシュに巻き込まれて20分から30分はロスタイムが出ているのでしょう。

今日は猟隊の隊長が珍しくお仕事で欠席です。待ちについてくれるのは、現在失業中の硬派倉橋さん1名だけ。

見切りなんかやっていると時間が足りなくなりますので、とりあえず見当をつけた場所をやることにします。

最初は、ビーグル雑のボンボン1頭だけで、場所はいつもの5番ホール東北のポッコリ山です。

犬と一緒に寝屋と思われる場所に進んで行くと、尾根の上のヌタ場をついさっき使ったような跡がありました。足跡はそう大きな判ではありません。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

しかし、なかなか犬が鳴きません。そのうちにビーグルが5番ホール待ちの真ん前を通り過ぎて行っちゃったよ、と待ちから無線が入ります。待ちを張り替えて、撃ち手は南側谷の奥の簡易水道タンクの待ちに移動するとのことでした。

それにしてもさっきのヌタ場を使った猪は何処にいるのじゃろう?と思案しながら待ち場を通り過ぎて尾根を替わって行きますと、今回は、いつも起こす場所よりも谷を挟んだ南側の小山で犬が鳴き始めました。

この山に犬を入れる度に猪に出合えるということは、この猪はずっとここに居付いているのでしょう。

犬の声は、最初起こした場所から待ちとは反対側に向かってゆっくりと移動してましたが、少し時間が経過すると、一ヶ所に止まっています。私からの距離は約150メートルです。

犬の鳴きの方に行って撃ってやろうと思い、それなりに静かに進んで行きますが、後80メートルくらいというところで、急に鳴きが移動し始めました。

やはり人間の移動は大きな音がするのでしょう。悟られたようです。

猪の進行方向約300メートル先には待ちが控えていますので、注意するように無線で連絡を入れて、成り行きを見守っていましたが、犬の鳴きが途中で止まって、その軌跡が大きくカーブを描いて5番ホールに向かって行きます。

今回も最終的に猪が向かったのは5番ホール東端と排水溝との間の待ち場でした。残念ながらそこには誰も待ってはおらず、それっきりという結果でした。

ビーグル雑を呼んで山を下り、ジャンボ号に帰ります。

タンクの待ち場の硬派倉橋氏と次の山を相談していると、この地区の区長をしているという男性が現れて、このところ猪の被害が大きいこと、獲れはしなくてもこうして追っているとそれなりに被害の軽減にはなっているのでこれからも頑張って欲しいと話されてました。

時刻は8時45分頃です。

一つ北側の山に移動して、今は廃園になっている幼稚園から北側の山をゴルフ場沿いにずうっと北に流すことにしました。待ちは犬の移動に応じて随時張り替えを繰り返してもらいます。

今度は、犬は地犬文太、童子、ボロの3頭です。

童子の兄弟犬ボロは、とても素直で河川敷でも呼びに応じて走って来るようになってますし、今のところ私に対して逃げるような行動は全く示しませんので、早いか?とは思いましたが使ってみることにしました。

午前9時過ぎから犬たちを放して一緒に歩き始めましたが、山中には猪の跡は全くと言って良いほど見当たらず。当然出合いもありません。

それでも、3頭の犬たちはあっちへ走り、こっちを探しと良好な捜索連絡をやってくれています。

随分歩いてそろそろ止めたくなった正午前に、犬たちの動きが獲物の臭いを取ったものになりました。

犬たちが一丸となって、一定の方向に進み始めたのです。南北に長いゴルフ場の丁度半分くらいの東側の位置になるでしょうか?

犬たちの後を追って私もゆるい傾斜ですが小尾根を登ります。ゴルフ場のグリーンが木の間から見えるところまで来ると、文太がこちらにやって来ました。童子とボロは私から150メートルくらい先に居ます。

童子とボロの居るであろう場所に向かって灌木や小松が茂った尾根を進んで行くと、文太も安心したのか?童子とボロの居る場所に先に進んで行きます。

犬たちの居るところまで後100メートルくらいというところで、童子、ボロが「ワンワンワンワン」と激しい連続鳴きを始めました。

やっと出合えたか?と幾分ホッとして硬派倉橋氏に無線を入れ、声の方に急ぎます。

しかし、犬たちの声は程なく聴こえなくなってしまいます。逃げられたのかも知れません。でも、犬たちの位置はほとんど移動してません。

童子、ボロのいるところまで後50メートルくらいというところで、今度は文太が「ワンワンワン」と鳴きますが、この声はすぐに止まってしまいます。文太は童子、ボロから30メートルほど離れた場所に居るようです。

犬たちの方に急いでいると、向かいから、カサカサカサカサと小さな獣が走る音が聴こえて来ます。

あれれ?外道かいな?と少し落胆して、眼を凝らしていると、薄茶の小さな獣が正面から獣道を走って来ました。

ウリ坊です。ごく最近生まれたもののようです。

さすがに撃つ気にもなれません。ウリ坊は私の正面5メートルのところまで来て初めて人間の存在に気付いたようで、急に足を速めて、私の左横1メートルのところを駆け抜けて行きました。

これで、犬たちが鳴いた相手が確実に猪であったと言い切ることが出来ます。

さて、犬たちのところに行ってみると、若犬ボロは雨水がえぐった斜面の溝に入り込んで息を切らしています。その10メートルほど上で文太がこれもしんどそうにハアハアと言っています。

童子はと見回して、全く見当たりませんので機器を取り出して確認すると、100メートルほど北の方向に行ってました。

無線の周波数を童子に合わせてみましたが、もう鳴いてはいないようです。

今日はこれまでと、犬たちをねぎらって尾根に登り、童子も呼んで東の県道に下りました。県道に下りる途中耕作放棄された田圃のある小さな谷を下りるのですが、その谷には猪の足跡が新旧沢山見られました。

ユリウス@素人ハンターの出猟日記

この時期の猪は、食べ物のある場所に居付いて、大きな移動をせずに静かに暮らしているのかも知れません。

県道まで下りて倉橋さんにジャンボ号まで送ってもらい、そこで解散と致しました。

犬の訓練にはなりましたが、なかなか成果が上がらない駆除活動であります。