序章
ラウラという名の少女が病に冒されていた。
彼女は幼少の頃から体が弱かったが、やがて重い病気にかかり、15歳という若さで死を迎えようとしていた。
彼女は一人っ子であり、彼女の両親にとって彼女は全てだった。
もし、彼女が亡くなれば、彼女の両親は深い悲しみを背負うことになる。
故に、医師は何とか彼女を助けようとしていた。
しかし、懸命の治療も虚しく、彼女の病状は進んでいった。
そして、ある日、彼女は両親に向かって愛していると言った後、息を引き取った。
そこには泣き崩れる彼女の両親の姿があった。
翌日、心配した友人達が彼女の両親の様子を見に行ったが、彼女の両親はまだ彼女の側で泣き崩れていた。
その翌日も、彼女の両親は彼女の側を離れなかった。
このままでは、今後、彼女の両親の人生は暗闇に閉ざされる。
そう思った友人の中の一人は、ブステナという村に死者を生き返らせる力を持つ魔女がいるという話を思い出し、ラウラの幼馴染である息子と共に魔女に会いに行くことにした。
友人の名はフェリックス。
息子の名はアンドレイ。
彼等は他界した少女を生き返らせるために魔女が住む村ブステナを目指す。