はい、RayuTube登録者様1,050人です。

1000人突破記念!初YouTubeライブやります!
9月3日の週末に、やりました。
成功裏に終わりました、良かった~♪
視聴者はMAX40人程度でしたが、熱烈なファンばかりでした。
Rayuさんのノリも良く、もう月いちヤルゾ!って盛り上がっていましたがwどうなる事やらw

さて、最近はノスタルジックなiuです。
よく高校時代に聴いてたむかーしの曲を、YouTubeで聴き直しています。
ジェネシス land of confusion 好きでした。

 

何か創作に挑戦している方がいるのなら、、、
BGMにもってこい、なのがこの時期の彼らの不協和音なロックです♪

読書記事です。「らんたん」柚木麻子(著)小学館


 

さてこの物語、純文学です。

久しぶりの文学、やっぱりいいですね、自然の厳しさや優しさ、風情や情緒がたっぷりある。時間の流れが雄大で、物語が主人公目線だけで進むのではなく、時代が動き進展していく。
時代?はい、少し昔の話。主人公は、公人です(でしょう?)河井道(以下敬称略)現・恵泉女学園の創立者です、彼女の物語となります。
フィクション仕立てになっていますが、表情は文学です。情景描写、心象の移り変わり、人々の佇まい、、、シルエットは繊細かつユーモラスに、詳細には彼女の周囲を飾る女性達を、花香る様にふんわり描いています。
特筆すべきは、時代背景がそうなのか(時代の才女という自明の)時勢がそうだったのか、時代の有名人があれやこれやと登場する点(明治末~昭和終戦まで)
かの津田塾大学創立者・津田梅子は、道が若き日に出会いパートナーとなるし、新渡戸稲造、有島武郎、野口英世、小泉八雲、と出会っていく。ま・太宰治は出会った事があって、気に喰わなかったくらいのものですが(笑)
他にも広岡浅子、大山捨松、平塚らいてう、市川房枝、山川菊枝、村岡花子や柳原白蓮といった女性達が(調べればそれぞれの分野の基礎を築いた女性達が)河井道に関わり、交流し、学び、共に生きていきます。
大河ドラマ、もしくは連続テレビ小説の原作になりそうな、壮大な物語(いや、作家意識してませんか?笑)
時代の寵児とも読める(ただし女性なのでそうは言われないw)河井道は、何を見ていたのでしょうか。彼女の目的はシンプルです。女性が十分な権利を得る、その為の教育や教育の場が必要である(なので、女子英学塾の講師から始まり、ひいては恵泉女学園の設立、運営に至ります)。
物語の中で、実は彼女が勉強が嫌いだった点、は読み拾うべきです。道に教育の機会を与えたのは、彼女の母親でした。物語では、道によく似て(笑)天心爛漫に描かれていますが、何となく先見の明があったというか、我が子の特質を見抜いていたというか。色々な側面で、女性の柔軟でいて強靭、そんな強さを感じます。

ストーリーは勿論、河井道の一代記となります。そこに貫かれるのは、留学先ブリンマー女子大学(米国)時代の体験、シスター・フッドの精神です。
道は、キリスト教女子教育の場に身を置きます。その中で、キリスト信仰の元に集う女性の、血縁でない信頼と愛情に基づく絆のつながりを、シスター・フッドと云います。
そして、それを視覚的に印象付けるのが、ブリンマー女子大で行われるランターンの伝統儀式です。
津田梅子が道に話してくれます。
「上級生が、下級生一人に一つづつ、ランターンと呼ばれる灯篭(とうろう)を継承するの。そうすると学生の数だけ明かりが灯って、暗い講堂が光の海になるの」
もちろん、それは精神的な繋がりで(儀式が必要という話ではなく)、同じ精神で慈愛を共有する「シェアする」事を以ってシスター・フッドの関係となります。
かくして、津田梅子、河井道、一色ゆり。それぞれがシスター・フッドとして協力し合って、当時の女性教育に、ひいては女性の地位向上の準備に取り組んでいく。
その間に、色々な事件に遭遇します。「不如帰(ほととぎす)」作者・徳冨蘆花との確執(梅子が特に)、縁故のあった有島武郎の「或る女」の出来映えに、不評しか出来ない河井道、等々。
―時代は、昭和初期の世界大戦から、太平洋戦争へ。
天皇崇拝の神道が古い家父長思想の悪しき温床である、と判っていても戦時下国策に従わざるを得ず。敵国の異教であるキリスト教・教育組織は解体されるし。物理的にも戦火に吞まれていく恵泉女学園と河井道、ですが。

何とか無事に皆生き延びます(教え子が一人亡くなりますが、ネタバレ)
そして、道も高齢ながら、戦後の日本の女性地位向上に駆け回るのです(色々な再会があります)
もちろん、最期まで彼女は持ち前の柔らかな強さで、頑張ります。
彼女を支えたのは、一色ゆりの、献身的なシスター・フッド。そして教え子一色義子らに伝承されたシスター・フッドで、、、
唐突、とやや不評のラストシーン?だそうですが?
そうでしょうか。iuにはとても美しく「らんたん」を読み終える事が出来ました。

さて文学的にも、屈指の名作です。

誰にお勧めしましょう?現代の強き女性達、、、イヤイヤ、やっぱり小生意気な男性達に読んでもらいたい。男女平等を謳いながら、どこか嘯(うそぶ)いて見える有島武郎のような美男子に?一度読んでみてほしい。
女性の力が世の中にどう足らないのか、よく判る物語です。