このブログに来て下さって、ありがとうございます。
今日はいわゆる「手段の目的化」ということについてお話したいと思います。
この言葉は、スポーツや勉強や仕事や趣味なども含め、様々な分野で使われます。
手段が目的化することは決していい意味に使われてはいないのですが、それがなぜいけないことなのか、今日はこれを考えてみたいと思います。
手段が目的化するとは?
まずは、「手段が目的化する」ということはそもそもどういうことなのかについて考えてみます。
例えば、私の実体験で言うと「厚生旅行」がありました。社員旅行や慰安旅行、職場旅行と言われるものです。この旅行の目的は何なのかと言うと、
・親睦を深めて職場の人間関係をよくする。
・普段できない職場以外でのコミュニケーションをとることで、お互いの理解を深め、風通しの良い職場にする。
・気分をリフレッシュさせる。
などが本来の目的です。「旅行」というのは、この目的を達成させるための「手段」なわけです。始めの数年は、この目的を達成させる手段として厚生旅行が行われていたかもしれませんが、10年20年と経ってくると少しづつ認識が変わってきます。
そうして私が実際に厚生旅行に行っていたころは
・いつ行くのか
・どこに行くのか
・何で行くのか
・行った先の計画は
このようなことに大半の時間が割かれていました。旅行に行くことそのものが「目的」になってしまったんですね。「親睦を深める」というのが目的なのだから、言ってしまえば目的が達成されるのなら「旅行」でなくとも、その手段は何でもいいはずなんです。
このようなことを「手段が目的化する」と言っています。
何かをするという行動は、本来その先にある「目的や成果」を得るための「手段」であるはずなのに、いつの間にかその行動すること自体が目的になってしまっていることを言います。
政治家は、本来「より良い国造り」という目的のために国会議員になりますし、選挙はその手段です。それがいつの間にか、「選挙に当選するための政治」をするようなものです。
このように、手段が目的化してしまうと、
・本来の目的を見失うので、行動に意味がなくなる。
・その結果、本来の目的や成果が達成できなくなる。
こういう悪循環になってしまうので、手段が目的化してしまうことはいいことではありません。
お金に関する手段の目的化
では次に、「お金」に関しても考えてみたいと思います。
働くということは、人の役に立って、社会に価値を提供するということです。
自分が提供した分の価値を、後で自分が欲しい価値と交換するために、価値の保存ができる「お金」と交換します。
その「後で自分が欲しい価値」というものが、本来の目的です。
結論から言うと、それは全て「感情」です。
1.まずは、何をさておいても生きなければなりません。生きるためには食べなければいけませんし、住む場所も必要です。今の社会で生きるためには、衣食住・光熱費や税金などの、生きるために必要なお金を払う必要があります。最初に欲しいのは「生きられる」という感情です。
2.生きることができて初めて、他の感情を味わうことができます。例えば、
・安心できる環境の家に住みたい。
・家族と旅行に行ったり、美味しいご飯を食べたりして、家族を笑顔にさせたい。
・自分が楽しいと思えることしたい。(趣味や娯楽)
このようなことは「安心する」とか「幸せ」という感情です。どんな家に住むとか、どこに旅行に行くとか、どんなモノが欲しいといったことは本来の目的ではなく、人間はそれを達成した後の「感情」が欲しい生き物であり、「自分が味わいたい感情という価値」が欲しいんです。
なので、生きること、自分が味わいたい感情を得ることが本来の目的であって、
働くということは、その目的を達成させるための手段の一つです。
そしてお金というのは、その間に入る交換の道具です。
いつの間にか、その手段が目的化してしまうと、よくない方に向かっていきます。
家族との時間を犠牲にして残業や休日出勤。
お金を稼ぐために働く。
やりたくない仕事だけどお金のために続ける。
こうなると、完全に目的を見失っています。
・目的は、安心や、幸せ、家族の笑顔であったはず。
・お金というのは交換の道具であったはず。
・働くことは手段の一つであったはず。
働くことや、お金に関してもやはり、手段が目的化してしまうと
・本来の目的を見失うので、行動に意味がなくなる。
・その結果、本来の目的や成果が達成できなくなる。
このようなことになります。
まとめ
このように、手段が目的化してしまうと、いいことがありません。
一言で言うと、ゴールが無いからです。
お金が欲しいから働く。・・・で、その先は?
ここにはゴールが無いんです。
稼いでも稼いでも稼いでも稼いでも、得られるものは交換の道具です。
交換の道具が欲しいから働くのではありませんよね?
私たちは、生きるために、欲しい感情を得るために働くのであって、働くために生きているのではありません。
なので、手段を目的化させないために一番大事なことは、
「目的をはっきりさせる」ということです。
目的を見失っていることが、手段が目的化してしまう原因です。
今やっている行動は「なぜ」やっているのか?
その答えを常に見失わないことが、行動に意味を感じ、やりがいを感じ、そして本当の目的を達成させることに繋がります。
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